組織の「戦略的余白」を用意して合理的な意思決定を可能に
企業は合理的な選択をするため、個人でなく組織による意思決定がなされるが、実際は不合理なものになることが多い。そのような意思決定はなぜ起きるのか。「ゴミ箱モデル」を用いたシミュレーションで、その解明に取り組む鹿児島大学助教の安藤良祐氏に話を聞いた。
意思決定の「ゴミ箱モデル」を
用いてシミュレーションを実施
安藤 良祐
鹿児島大学 法文教育学域法文学系 法文学部 法経社会学科 助教
修士(理学)、経営修士(専門職)。北海道大学大学院理学院宇宙理学専攻卒業後、九州旅客鉄道株式会社に入社、在籍中に九州大学大学院経済学府 産業マネジメント専攻修了。同社退社後、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社を経て、2024年4月から現職。専門は経営組織論。行動経済学や意思決定理論を用いて、不安定さの中で組織がどのように意思決定を行うのかをシミュレーション・定量分析などで実証的に研究。
安藤氏は修士課程修了後、鉄道会社に就職し、現場で企業の意思決定に関わる中、その不合理性に関心を持ち始めた。
当時、安藤氏は新しい自動列車停止装置(ATS)を導入するためのプロジェクトに所属し、「どの線区に導入するか」といった意思決定に関わった。当初は「エビデンスさえ揃えばスムーズに決まる」と考えていたが、実際はそうでなく、意思決定の複雑さ、難しさを感じたという。その一方で、企業の意思決定にも何か法則的なものがあるはずで「面白いものを見つけたい」と考えるようになった。このような中、会社の大学院派遣制度を通じて九州大学のビジネススクールで経営学を学び、組織の意思決定に関する研究を開始。その後は、より多くの知見を得るため、コンサルティングファームに転職した。そして6年間の勤務後、鹿児島大学の教員公募に応募し、2024年に助教として採用された。
(※全文:2691文字 画像:あり)
全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。