光村図書と筑波大学、「読み」「書き」困難な児童支援で共同研究

光村図書出版株式会社(東京都品川区上大崎2-19-9、代表取締役社長・吉田直樹)は、国立大学法人筑波大学(茨城県つくば市、学長・永田恭介)人間系の丹治敬之准教授と共同で、デジタル教科書の支援機能に関する研究を2026年9月1日付で開始したと発表した。読むことや理解することに不安を抱える子どもたちを、デジタル教科書の機能がどのように支えているのかを明らかにし、学校や家庭での実践に生かせる知見としてまとめる。丹治准教授は、特別支援教育や応用行動分析学を専門とし、読み書きの発達支援や、学習障害のある子どもへの支援技術(AT:Assistive Technology)の活用に関する研究に取り組んできた。

教室には、読む、書く、理解するといった学習の場面で、周囲から気づかれにくい困難を抱える子どもが一定数存在する。本人が努力を重ねていても、つまずきが表面に出にくいために、必要な支援に結び付かない場合がある。

光村図書出版株式会社プレスリリースより

デジタル教科書には、音声読み上げ、文字サイズの変更、背景色の調整など、子ども一人一人の特性に応じて学びを支える機能が備わっている。ただし、どの機能がどのような困難を持つ子どもに効果を発揮するのかについては、これまで十分な知見が蓄積されてこなかった。今回の共同研究は、この空白を埋める狙いを持つ。

具体的には、デジタル教科書を利用している教員と子どもを対象に、アンケート調査とインタビュー調査を実施する。教育現場を担う教員の実感と、学ぶ当事者である子ども自身の受け止めを組み合わせて分析し、支援機能が学習への参加や理解をどのように後押しするのかを多面的に明らかにする。

研究は、長年にわたり教科書づくりに取り組んできた光村図書出版と、教育研究の知見を有する筑波大学が連携して進める。得られた成果は、報告書や学会発表、論文として公表するほか、先生方や保護者が日々の支援に取り入れやすい形へ整理し、広く発信していく計画である。