ふるさとを次の時代へ 庄内発・地域の未来をつくる挑戦

「ワクワクめぐる社会をあみだす」をビジョンに、若者支援や教育、地域の拠点づくりを手掛ける合同会社dano。内発的な動機とフラットな関係性を大切にするコミュニティづくりに挑む。共同代表を務める伊藤大貴氏に、地域づくりにかける思いやこれまでの手応え、今後のビジョンを聞いた。

「故郷が消える」実体験を胸に
縁を生かして教育事業に乗り出す

伊藤 大貴

伊藤 大貴

合同会社dano 共同代表、一般社団法人遊ばざるもの学ぶべからず 副理事長
山形県鶴岡市旧朝日村出身。羽黒山伏。SHONAI政経塾一期生。東京のIT企業で2年勤務後にUターンし2019年に合同会社danoを起業。デジタルマーケティング支援事業と地域教育プロジェクト支援事業を行う。6期目売上1億円を突破し経営者コミュニティEOに加盟。2019年より遊佐高校魅力化プロジェクトに参画し2024年からは(一社)遊ばざるもの学ぶべからず副理事長として遊佐教育みらい構想を推進。地元を深く知るために修行を経て山伏に。

──創業の経緯や社名に込めた思いをお聞かせください。

地域のために起業したいという思いは昔からありました。最初のきっかけは、小学6年のときに地元の朝日村が鶴岡市に合併されたことです。

年賀状の宛名が「朝日村」から「鶴岡市」に変わるだけのことでしたが、子ども心に「地域がなくなる」という感覚になったことを覚えています。大学進学のころには東日本大震災が起き、友人たちの地元では村が物理的に失われたり、コミュニティが機能しなくなったり、原発事故で戻れなくなっている人もいました。自分の場合は自治体名が変わっただけでしたが、現実として「故郷が消える」ことがあるのだと実感しました。

ちょうどその頃、『地方消滅』という本が話題になり、…

(※全文:5661文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。