あえて不安定な状態に身を置くことが、あらゆるビジネスパーソンに不可欠

既存の人材育成活動では得られない知識・スキルを育む手法として、「越境学習」が注目されている。企業が越境学習を効果的に実施するためには、何が重要になるのか。また、個人にとって越境学習は、どのような意味を持つのか。法政大学・長岡健教授に話を聞いた。

「越境学習」について、
どのように理解すればよいのか

長岡 健

長岡 健

法政大学 経営学部 教授
慶應義塾大学経済学部卒、英国ランカスター大学大学院・博士課程修了(Ph.D.)。専攻は組織社会学、経営学習論。組織論、社会論、コミュニケーション論、学習論の視点から、多様なステークホールダーが織りなす関係の諸相を読み解き、創造的な活動としての「学習」を再構成していく研究活動に取り組んでいる。現在、アンラーニング、サードプレイス、ワークショップ、エスノグラフィーといった概念を手掛かりとして、「創造的なコラボレーション」の新たな意味と可能性を探るプロジェクトを展開中。2020年度、法政大学「学生が選ぶベストティーチャー賞」を受賞。共著に『企業内人材育成入門』『ダイアローグ 対話する組織』『越境する対話と学び』など。

──「越境学習」は様々な意味で使われる概念です。「越境学習」について、どのように整理して理解すべきですか。

越境学習の意味は研究者間でも違いが見られ、一致した定義はありません。ビジネスパーソンなど実務家にとっては、何が越境学習で何が越境学習ではないのか、厳密な定義にこだわるよりも、自社や自分にとって意味のある越境学習の在り方について、整理して理解できるアプローチのほうが有用だと思います。

(※全文:4268文字 画像:あり)

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