【7月14日松本洋平文部科学大臣会見】卓越大審査、東大不正流用焦点に
松本洋平文部科学大臣は2026年7月14日の閣議後記者会見で、東京大学に関連する一般財団法人総合研究奨励会で発覚した資金不正流用問題を取り上げ、国際卓越研究大学の審査打ち切り条件に該当するかどうか確認が必要との考えを示した。大学による調査の進捗を注視しつつ、必要に応じて指導や助言を行う方針も明らかにした。
東大関連法人の資金流用問題とは
総合研究奨励会は2026年7月10日、元業務執行理事・事務局長が2016年から2026年にかけて約9,000万円を不正に取得していたと発表した。この元事務局長は、自身が代表理事を務める一般社団法人に対し、実態のない業務の再委託費名目で120回以上にわたり資金を移動させていたという。総合研究奨励会は同年2月の理事会決定に基づく監査でこの問題を把握し、元事務局長を7月9日付で解任した。業務上横領または特別背任にあたる疑いがあるとして、捜査機関への相談も踏まえ、民事・刑事の両面から責任を追及する方針を示している。
東京大学は2026年4月16日、リスク管理委員会の決定に基づき、桑原昌宏理事(CRO:リスク管理、コンプライアンス担当)を中心に外部弁護士・公認会計士を加えたプロジェクトチームを設置し、総合研究奨励会の運営実態を検証してきた。今後は総合研究奨励会に限らず、他の特定関連会社や関連公益法人等についても運営状況を確認し、大学が進めるガバナンス改革のなかで取り組みの進捗を管理していくとしている。
卓越大審査打ち切りの該当性焦点に
国際卓越研究大学は、政府が10兆円規模で造成した大学ファンドの運用益をもとに、世界最高水準の研究大学を支援する制度である。文部科学省の国際卓越研究大学の認定等に関する有識者会議(アドバイザリーボード)は2025年12月19日、東京大学の医学系研究科を巡る社会連携講座の高額接待問題や東大病院の汚職事件など不祥事が相次いだことを踏まえ、東京大学の審査を最長1年間継続すると公表した。この際、法人としてのガバナンスに関わる新たな不祥事が生じたと判断された場合には審査を打ち切るとの条件が付けられていた。
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松本大臣は、今回の不正流用が東京大学本体ではなく関連法人で起きたものであるとしたうえで、この条件に該当するかどうかを判断するには、東京大学と当該法人との関係性や事実関係の解明状況、大学側の対応などを詳細に確認する必要があるとの見解を示した。今後、有識者会議での審議を経て、東京大学のガバナンスとの関連性が判断される見通しだ。
長野・板橋の視察にも言及
会見の冒頭では、大臣自身が7月11日に長野県で参加した「信州学び円卓会議 ともつくミーティング」についても報告があった。同会議は、長野県が教職員や児童生徒、保護者、地域住民など教育に関わる多様な関係者を集め、学びの「新しい当たり前」を共につくることを目指す取り組みである。松本大臣は一般参加者としてグループワークに加わり、これからの時代に必要な学びについて意見を交わした。阿部守一長野県知事や県教育長も議論に参加していたことに触れ、県の政策形成に多様な意見を取り入れる姿勢が印象的だったと振り返った。現場主義を徹底しながら、様々な関係者との連携・協働によって教育の質を高めていきたいと述べた。
もう一件の報告は、前日13日に視察した板橋区立上板橋第四小学校についてである。板橋区は特定非営利活動法人放課後NPOアフタースクール(代表理事・平岩国泰氏)などに運営を委託し、学校施設を活用した放課後対策事業「あいキッズ」を展開しており、松本大臣は子どもたちが興味や関心に応じて多様な活動に取り組む様子を見学した。朝の見守りなど地域の力を生かした取り組みが学校の負担軽減や教員の働き方改革につながっている点について、校長から説明を受けたという。文部科学省として、放課後における多様な体験活動の充実や学校と地域の連携・協働の推進に、関係省庁とも連携しながら取り組んでいく意向を示した。