なぜ早期選抜は進まないのか 人事改革の壁と突破への鍵
早期選抜やタレントマネジメントの実施にあたり、企業はどのような課題に直面し、また、その課題を乗り越えるために、経営層や人事部門にはどのような役割が求められるのか。早期選抜型人事制度やタレントマネジメントについて研究する同志社大学・田中秀樹教授に話を聞いた。
多くの企業が直面する
「配分のジレンマ」の課題

田中 秀樹
同志社大学 政策学部 教授
1981年生まれ。2004年、同志社大学文学部卒業。2011年、同志社大学大学院総合政策科学研究科博士後期課程修了。博士(政策科学)。同志社大学 技術・企業・国際競争力研究センター研究員、青森公立大学経済経営学部、京都先端科学大学経済経営学部等を経て、2020年に同志社大学政策学部准教授。2024年、同教授。
── 日本企業における早期選抜型人事制度やタレントマネジメントの課題について、どのように見ていますか。
タレントマネジメントには様々な定義がありますが、重要なのは経営戦略におけるキーポジションを担うことを念頭に、人材を発掘・育成するための戦略的な人材開発を行うことです。自社の戦略に適合したキーポジションを特定し、そのポジションを担う(あるいは担える可能性のある)人材のタレントプールを構築し、次世代幹部人材を早期に選抜します。
市場環境の激しい変化に対応するために、多くの日本企業がタレントマネジメントに関心を持っていますが、その実践度合いにはバラツキがあり、早期選抜にまで踏み込んでいる企業は少ないと感じます。
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