「ジョブ・クラフティング」は経験学習を促進する

近年、「ジョブ・クラフティング」が注目されている。それは「自分」起点の仕事への働きかけを意味し、経験学習を促進する。ジョブ・クラフティングを実践するために大切なこと、組織として求められる取組みについて、東京都立大学大学院・高尾義明教授に話を聞いた。

自ら主体的に仕事に変化を加え、
働きがいを高める

高尾 義明

高尾 義明

東京都立大学大学院 経営学研究科
経営学専攻 教授
1967年生まれ。京都大学教育学部教育社会学科卒業後、大手素材製造業での4年間の勤務を経て、京都大学大学院経済学研究科修士課程・博士課程にて組織論を学ぶ。博士(経済学、京都大学)。九州国際大学経済学部専任講師、流通科学大学情報学部専任講師・助教授等を経て、2007年4月から東京都立大学(旧名称:首都大学東京)大学院社会科学研究科経営学専攻准教授。2009年4月より同教授。2017年4月より東京都立大学(旧名称:首都大学東京)大学院経営学研究科経営学専攻教授(組織再編のため、現在に至る)。著者に『「ジョブ・クラフティング」で始めよう働きがい改革・自分発』、共著に『ジョブ・クラフティング: 仕事の自律的再創造に向けた理論的・実践的アプローチ』など。

── 近年、人事領域において「ジョブ・クラフティング」という考え方が注目されています。

ジョブ・クラフティングとは、働く人一人ひとりが主体的に仕事やそこでの人間関係に小さな変化を加え、それを通じて仕事の「手触り感」を高めるプロセスです。私は一田憲子さんの書籍の言葉を借りて、「仕事の中に『自分』をひと匙入れること」と表現しています。そのひと匙は他の人には気づかれない小さなことであったとしても、仕事で自分の持ち味を活かし、働きがいを高めることができれば、それはとても意味があることです。

(※全文:2107文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。