創造性を導くチーム学習 現場の状況に応じ、適切な手段の選択を

創造的成果を促進するチーム学習行動、集団特性とは何か。創造的チーム学習をモデル化し、定量的なデータから各要因の関係性を明らかにした東洋大学・木村裕斗准教授は、「集団特性に応じて、創造的パフォーマンスに効果的なチーム学習は異なる」と語る。

集団を形成することが
個人の創造性を妨げる側面も

木村 裕斗

木村 裕斗

東洋大学 経営学部経営学科 准教授
2007年、早稲田大学 人間科学部人間情報科学科を卒業。2016年、筑波大学大学院 ビジネス科学研究科 企業科学専攻 博士後期課程を修了。新潟大学教育・学生支援機構准教授を経て、2022年4月より現職。博士(経営学)。専門は組織行動、組織心理学。組織内の人間行動(特に集団と創造性のパラドックス)をテーマに研究。

── 木村先生は創造性とチーム学習行動に関する研究をされています。集団と創造性について、過去にはどのような研究が行われてきたのですか。

前提として創造性という意味では、よく「3人寄れば文殊の知恵」などと言われますが、多くの社会心理学研究では、集団による問題解決の成果が個人の総和を上回らないことが指摘されています。これまでの学術的な成果としては、社会心理学者のジャニスによる「グループシンク(集団浅慮)」や、心理学者のアッシュによる「多数派への同調」などの研究が有名です。

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