企業がAI人材の育成をストップする その背景にある2つの問題点
多くの企業は生産性向上や業務効率化を進めるために、AIの活用法を模索し、独自制度の整備を進めている。その一方で、一橋大学大学院の小町守教授は、企業が「AI人材を育成しなくなる未来」について言及する。AIの活用が必須とも言える現代において、なぜそのような状況が生まれるのか。
企業はAI人材の育成を
実施しなくなる可能性
小町 守
一橋大学大学院
ソーシャル・データサイエンス研究科 教授
2005年東京大学教養学部基礎科学科科学史・科学哲学分科を卒業後、2010年奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科で博士(工学)を取得。同年より奈良先端科学技術大学院大学助教、2013年より首都大学東京(現・東京都立大学)システムデザイン学部准教授・教授を経て、2023年より現職。
── 先生の専門領域である「自然言語処理(NLP)」はAIではどのように活用されていますか。
AIに指示を行う際のプロンプトは大半がテキストで、その言語処理を行っているのがNLPです。私が現在、最も注力しているのはテキストの自動評価です。「AIが生成したテキストがどれぐらい読みやすいか」「文法や翻訳が正しいか」などを研究しており、こうした技術は既に様々なAIで活用されています。
私がNLPの研究を始めたのは約20年前でした。今のような世界になるとは想像もしておらず、以前は機械翻訳を使ったテキストはすぐに判別できましたが、2015年頃からの深層学習の登場で区別がつかなくなりましたね。AIが急速に発展するなかで、それに関わる人材の重要性が高まっていると感じます。
―― 重要性が高まるAI人材の育成について、現状をどのように見ていますか。
ここでいうAI人材とは、単に生成AIを利用する人ではなく、AIの仕組みや限界を理解し、開発・評価・導入・運用を担う人材を指します。なかでも今回は、将来その役割を担うジュニア層の育成を問題にしています。
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