五感を駆使した体験重視の農業教育 失敗を許容し、地域と共に育てる

130年以上の歴史を持つ県立倉吉農業高等学校は、「農力全開」をキャッチコピーに本気で農業を学ぶ。生徒たちは動植物に生かされていることを知り、生きることについて考えていく。Society5.0時代を見据えた農業教育の取り組みを追う。

動物の命ひとつが語ること、体験を重視した農業教育

河本 達志

河本 達志

鳥取県立倉吉農業高等学校 校長
1986年鳥取県立倉吉農業高等学校に農業科教員として着任。鳥取県教育委員会事務局勤務などを経て、2014年から同校教頭、2019年から現職。鳥取県高等学校農業教育会会長。

校是に「國本」と「進徳修業」を掲げ、1885年の開校時から「地域の農業振興を通し、日本をより豊かにする」というミッションを持ち続けてきた倉吉農業高校。國本とは、「農業は国家の基本であり、国家の土台となる大切なもの」という考え方だ。

「本校の教育の大きな特長は、体験を重視しているところです」と河本校長は語る。同校では、乳牛50頭、豚100頭のほか、馬や羊を飼っている。生物科、食品科、環境科の3学科のうち…

(※全文:2270文字 画像:あり)

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