働き方の選択肢を増やし、全ての人が活躍できる社会へ

キャップクラウドは山梨県富士吉田市において、「まるごとサテライトオフィス」プロジェクトを展開。それは、市内の好きな場所で、好きな時間に働くことを後押しする取組みだ。同社は新しい働き方の選択肢を提示し、さまざまな人が活躍できる社会の実現を目指している。

富士吉田市にオフィスを開設、
率先して「多様な働き方」を推進

萱沼 徹

萱沼 徹

キャップクラウド株式会社 代表取締役CEO
1969年、山梨県生まれ。1992年、慶応義塾大学商学部を卒業、監査法人兼公認会計士事務所に勤務。基幹業務に関する知識を身につける。2000年、株式会社ディー・マネージ設立。中小企業に対して、ITを活用した業務効率化コンサル・システム導入支援を行う。2014年、キャップクラウド株式会社を設立。「働き方、パーソナライズ」の企業理念のもと、BtoB向けクラウドサービスを開発・販売する事業を展開。2017年からは山梨県富士吉田市にて、地域創生に関する事業を展開し、新しい働き方の選択肢を提示している。大正大学表現学部 非常勤講師、日本IT特許組合 理事長。

キャップクラウドは「働き方、パーソナライズ」を理念に掲げ、働き方の選択肢を増やすための中小企業向けクラウドサービスの開発・販売を手掛ける会社だ。新宿に本社を構えながら、2018年に山梨県富士吉田市にコワーキングスペース兼サテライトオフィスを開設し、多様な働き方を率先して推進している。こうした取組みの背景には、萱沼徹CEOの人口減少への危機感がある。

「人口が減少しても国力を落とさないようにするためには、一人ひとりの生産性を上げ、かつ今まで活躍できなかった人に活躍してもらえる社会にしなければなりません。ITにより生産性を向上し、さらに生産人口を増やすために、働く場所や時間の制約を無くして多様な働き方を実現しなければならないと考えました」

キャップクラウドは2018年、山梨県富士吉田市にコワーキングスペース兼サテライトオフィス「ドットワーク富士吉田」を開設した。

三面ガラス張りの室内から大きな富士山が望めるワークスペース「ドットワーク富士吉田」。

「富士吉田市は都心から2時間弱という好立地であり、コンパクトシティであるため、生活しやすい環境があります。また、何と言っても富士山という圧倒的なコンテンツがあります。市内のどこにいても大きな富士山を望めるため、その場にいるだけで圧倒的非日常感を感じることができます」

キャップクラウドは2020年、「働き方選択制度」を導入しフルリモートワークを実現。さらに2022年には富士吉田市と包括連携協定を締結し、「富士吉田市まるごとサテライトオフィス(まるサテ)」プロジェクトを開始した。

「富士吉田市まるごとサテライトオフィス」では、さまざまな事業者が市内に自分のワークスペースを手軽に持つことができ、多様な働き方を後押しする。

好きな場所で、好きな時間に働く
「まるごとサテライトオフィス」

「まるサテ」は、さまざまな事業者が富士吉田市に自分のワークスペースを手軽に持つことができる取組みだ。市内約40ヵ所のワークスペースを用意し、安価で導入リスクも少なく、サテライトオフィスを構えられる。その日の気分で利用するワークスペースを変更することも可能で、その時に一番適した仕事場所を選ぶことができる。

こうした柔軟な働き方を支えるITツールが、キャップクラウドが提供している「anyplace」だ。働く場所にBeacon端末を設置し、スマートフォンと連携することで、「場所」と「時間」の情報を記録する。それにより好きな場所で、好きな時間に働くことを後押しする。例えば子育てや介護により、まとまった勤務時間が確保できない人でも、1日の中で細かく何度も打刻し、合計で規定の時間分働けば承認する仕組みも構築できる。

柔軟な働き方を支えるITツール「anyplace」。

近年、働き方改革の重要性が言われているものの、多くの企業がフルリモートワークにまでは踏み込んでいない。キャップクラウドによるフルリモートワークの実践や、富士吉田市における「まるサテ」の推進は、働き方の選択肢を増やす意義や成果を自分たちで実証し、フルリモートワークに対する理解を広く社会に浸透させるための取組だ。

キャップクラウドでは、採用面や従業員満足度の点で顕著な成果が見られたという。以前であればエントリーがなかったような人材から応募があるほか、従業員満足度が向上して離職率は下がり、勤続年数が長くなった。また、地域においては、移住者や関係人口の増加をもたらすことに成功した。

地域の人たちを対象に
ITスキルを習得する講座を実施

キャップクラウドは富士吉田市の委託事業として、地域の人たちを対象にITスキル向上のための講座も開講している。

地域住民を対象としたIT人材育成講座を実施。

「ビジネス活用に必要な基礎的なIT知識の習得し、DXを推進できる人材を育成しています。かつてITは限られたスキルを持つ人が活用するものでしたが、現在では誰もが使えるものになりました。『ITの民主化』によって人材市場がフラット化し、地方在住者やフルタイム勤務が難しい人なども含めて活躍の機会が広がっています。IT人材の育成は、自分のライフスタイルに合った働き方を実践できる人を増やす取組みでもあります」

さらに今年1月、キャップクラウドは富士吉田市で「0円移住プロジェクト」を開始した。ゲストハウス運営に挑戦したい人を公募し、家賃0円で移住できるプロジェクトであり、宿泊事業経験者がサポートにつくため、参加者は実地で事業ノウハウを学ぶことができる。また、ゲストハウスに隣接した飲食店の開業準備も進めている。

ゲストハウスも飲食店もITを駆使して運営を効率化し、誰もが働きやすい環境の整備を進めている。キャップクラウドは今後もさまざまな領域において、「生産性向上」「働ける人の増加」のために貢献していく考えだ。