STEAM教育を組み替える

大人の関わり方次第で、自己肯定感を高めもすれば引き下げもするアート教育

多分野を関連づけて学ぶSTEAM教育。VUCA時代に必要な総合的な力を育むとして期待を集めるが、どの学びも中途半端に終わってしまう危険も孕む。そうならないためには、どれかひとつを拠り所とする必要がある。それにはAが相応しいのでは？　在野の教育学者にして、STEAM教育の実践者が論じる。

大人の関わり方次第で益にも
害にもなるアート教育

大滝世津子

鎌倉教育総合研究所　所長
博士（教育学）。1980年生まれ。東京女子大学卒業、東京大学大学院教育学研究科修士課程・博士課程修了。著書に『幼児の性自認――幼稚園児はどうやって性別に出会うのか』（みらい、2016年）、編著に『子どもと教育環境』（大学図書出版、2017年）など。

前回、アート教育は制作と鑑賞のどちらを通じても、将来にわたって役に立つ力を育むことができると論じました。とはいえ、アート教育はやり方次第では無益、それどころか有害にすらなる可能性もあるということを、今回は述べたいと思います。その上で、そうならないための具体的な方法について提示します。

（※全文：4311文字　画像：あり）

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