成人学習の5つの特性から見る、履修証明プログラムで学ぶ意義

社会人大学院での学びも短期間から長期間まで様々なプログラムがある。なかでも履修証明プログラムは、働きながらも体系性ある学びができる。

伴野 崇生

伴野 崇生

ともの・たかお/香港中文大学専業進修学院専任講師、東京農工大学特任助教等を経て現職。これまで大学・大学院で担当した科目は、外国語/第二言語科目から科学技術コミュニケーションや多文化間カウンセリングまで多岐に渡る。近年は文化心理学の観点から、学習者・教師/学習支援者の変容プロセスに関する研究を進めている。

ノールズが提唱する、アンドラゴジーの特性

アメリカの教育学者に、ノールズ(Malcolm S.Knowles)という人がいます。アンドラゴジー(andragogy)と呼ばれる成人教育学を体系化したことで有名な人で、ノールズの考え方は社会人向けの研修デザインに関する書籍等にもよく引用されています。

アンドラゴジーはペダゴジー(pedagogy、語源はギリシャ語で「子ども-指導」)と区別されるものとして提案されたものです。ノールズは成人の学習の特性を、(1)自己概念、(2)経験、(3)学習へのレディネス、(4)学習への方向づけ、(5)動機づけといった観点からまとめました。

ノールズの観点を非常に大雑把にまとめると次のように…

(※全文:2657文字 画像:あり)

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