「職務資源」で活力みなぎる職場へ リーダーに求められる条件

リーダーシップは従業員のエンゲージメントに正の影響を与える可能性がある一方で、職務ストレスはエンゲージメントに負の影響をもたらす恐れがある。リーダーシップとエンゲージメントの関係、効果的なマネジメント手法について、中央大学の林祥平准教授に話を聞いた。

組織変革時における
ワークエンゲージメントを研究

林 祥平

林 祥平

中央大学 商学部 准教授
1984年生まれ。2015年、神戸大学大学院 経営学研究科 博士後期課程を修了。博士(経営学)。明治学院大学 経済学部経営学科の講師・准教授を経て、2025年4月より現職。専門分野は組織行動論、経営組織論。

── 林先生は「組織変革とワークエンゲージメント」に関する研究に取り組まれました。

組織変革は、企業が市場環境の不確実性に対応したり、これまで以上の成長を目指したりするときに行われます。しかし、それを支える従業員が変革を歓迎するとは限りません。従業員の中には、「今のままでもいいのではないか」「これまでと違った仕事をするのは大変」などと考える人も多いでしょう。旗振り役のリーダーだけが「組織変革が大事」と声高に訴えても、現場の従業員がやる気を持って取り組まなければ、結果はついてきません。

組織変革にはポジティブな側面だけでなく、それを支える人たちのストレスや否定的な感情を引き起こすネガティブな側面もあります。私はこの両義性に関心を持ち、組織変革時におけるワークエンゲージメントを研究しました。

ワークエンゲージメントは「活力、没頭、熱意を特徴とする、前向きで充実した仕事に関する状態」と定義されます。一方でワークエンゲージメントの対になる概念として、職務ストレスやバーンアウトがあります。

簡単に言うと、職務ストレスが軽減されれば、ワークエンゲージメントが高まりやすくなり、逆にワークエンゲージメントを高く保てないような状況では、職務ストレスが上がりやすくなります。

(※全文:1878文字 画像:あり)

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