【7月3日松本洋平文科大臣会見】京都大学、国際卓越研究大学の認定へ
文部科学省の松本洋平文部科学大臣は2026年7月3日、閣議後の記者会見で、京都大学が国際卓越研究大学の認定と体制強化計画の認可の水準を満たし得るとの判断が示されたことを明らかにした。同じ会見では、小惑星探査機「はやぶさ2」による小惑星トリフネへのフライバイ探査、そして夏休み期間中の子供の学びと体験の充実に向けた自治体への要請についても言及があった。
夏休みの学び充実へ全国要請
松本大臣はまず、長期休業期間中の学びと体験活動の充実に向けた取り組みを説明した。長期休業期間は日常とは異なる環境で多様な学びや体験に触れられる貴重な機会である一方、近年は家庭環境の多様化が進んでいる。こうした状況を踏まえ、文部科学省は同日、全国の教育委員会および生涯学習・青少年教育の主管課に対して事務連絡を発出したという。
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大臣によれば、事務連絡では夏休み期間中も子供が安全に過ごせる場として学校施設や社会教育施設を積極的に活用すること、校内で実施される行事などの情報を可能な限り集約して子供や保護者に提供すること、コミュニティ・スクールや地域学校協働活動の仕組みを含めた地域の関係者との連携を推進することなどを求めている。松本大臣は、こうした取り組みを通じて長期休業期間中の学びや体験活動への参加機会をより一層充実させていく考えを示した。
京都大学、卓越大認定水準満たす
会見のもう一つの柱は、大学ファンドの支援対象となる国際卓越研究大学の審査結果だった。文部科学省は2025年12月19日、京都大学を認定候補に選定。その後、有識者会議(アドバイザリーボード)との対話を経て2026年7月3日、認定と体制強化計画の認可の水準を満たし得るとの結論に至ったと公表した。今後は総合科学技術・イノベーション会議などの意見を聴いたうえで、文部科学大臣が正式な認定と認可を判断する。京都大学が認定されれば、2024年11月の東北大学、2026年1月の東京科学大学に続き3校目となる。日本経済新聞や京都新聞など複数の報道によれば、2026年度分の助成額はおよそ200億円になる見通しだという。
京都大学は、教授ごとに研究室を構える従来の体制を見直し、学術領域を基盤とした「デパートメント制」への移行を柱に据える。湊長博京都大学総長は、正式な認定と認可を目指して尽力していく考えを示した。松本大臣は、京都大学が自由の学風のもとで世界的に高い水準の教育研究を行ってきたと評価したうえで、諸外国のトップレベル大学をもリードする研究大学となることへの期待を語り、会見当日には大学を訪問して直接その期待を伝える予定だと明らかにした。
一方、巨額の支援を受ける大学へのコンプライアンス確保も議論となった。京都大学は2026年3月31日、3件の論文について改ざん・捏造による研究不正を認定したと公表している。東京大学でも医学部附属病院の准教授が収賄罪で起訴され懲戒解雇となった事案があり、同大学の認定候補選定は最長1年間審査が継続されている。松本大臣は、国民の関心と投入資金の規模の大きさを踏まえコンプライアンス確保が重要だとしたうえで、各大学の意思決定・監督機能の強化を求め、有識者会議の助言や財政支援を通じて取り組みを促進していく考えを示した。
はやぶさ2、トリフネへ超高速フライバイ
会見ではもう一つ、宇宙分野の話題も取り上げられた。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」は、2026年7月5日18時30分ごろ(日本時間)、小惑星トリフネへのフライバイ探査を予定している。トリフネの中心から約1キロメートルの距離を、相対速度で秒速約5キロメートルという高速で通過しながら観測する運用だ。
トリフネは地球接近小惑星(NEO)の一つで、直径500メートル程度の細長い形状と推定されている。当初はリュウグウとは異なるL型小惑星とされていたが、その後の観測により、小惑星イトカワと同じS型小惑星であることが判明している。
はやぶさ2は2014年12月3日にH-IIAロケット26号機で打ち上げられ、2018年6月27日に小惑星リュウグウに到着して世界初となる人工クレーターの形成に成功、2020年12月6日には地球へのサンプルリターンを果たした。その後は拡張ミッションとして運用が続けられており、今回のフライバイは高精度な軌道誘導技術を実証する機会と位置づけられている。この技術は、地球に接近する小惑星への衝突リスクを軽減する国際的な取り組み「プラネタリーディフェンス(地球防衛)」に貢献するとされ、探査機は最終目的地である小惑星「1998 KY26」に2031年7月に到着し、探査を行うことを目指している。
松本大臣は、今回のフライバイ探査が地球接近小惑星の理解を深めるさらなる成果につながることに加え、我が国の国際的な宇宙分野におけるプレゼンス向上にも資する取り組みだとの認識を示し、フライバイの成功に強い期待を寄せた。