【6月30日松本洋平文科大臣会見】高校改革の先導拠点、第3回で69校採択 累計75校に

文部科学省は2026年6月30日、松本洋平文部科学大臣の閣議後記者会見で、高校教育改革促進基金を活用した「令和7年度 産業イノベーション人材育成等に資する高等学校等教育改革促進事業」の第3回申請に対する採択結果を発表した。あわせて、5月に福島県の磐越自動車道で発生した部活動遠征中のバス事故を受け、文部科学省と国土交通省が共同で取りまとめた学校教育等に関する移動の安全確保策を公表した。

第3回採択は69校、第2回採択分と合わせ75拠点に

高校教育改革促進基金は、2026年2月13日に公表された「高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)」を踏まえ、各都道府県の高校改革を牽引する「改革先導拠点」を創出する仕組みである。補助率は10分の10、すなわち全額が国費負担となる。今回の第3回申請は2026年5月15日を期限としており、第2回までに採択されていた富山県・静岡県を除く45都道府県から計171校の申請が寄せられた。

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外部有識者による審査の結果、69校が新たに改革先導拠点として採択され、第2回までの採択分と合わせて75拠点となった。共通する評価のポイントは、学科再編や新コース設置などカリキュラム改革の具体性、地域の産業界や大学との継続的な連携策、生徒の学習実態をふまえた地域性ある支援設計の三点に集約される。

文部科学省は今後、令和9年度予算編成過程で検討する「高等学校教育改革交付金(仮称)」など新たな財政支援の仕組みも見据え、これらの先導拠点を全国の高校改革を牽引する存在に位置付ける。なお、不採択となった申請については都道府県に改善点を丁寧に説明したうえで、2026年7月下旬頃から追加公募を受け付ける予定だ。

磐越道事故を受けた連絡会議が安全確保7項目を取りまとめ

会見で松本大臣はあわせて、2026年5月6日に福島県郡山市の磐越自動車道で発生した、新潟市の北越高等学校男子ソフトテニス部の遠征中バス事故を受けた対応を説明した。文部科学省と国土交通省は同年5月21日、文部科学省11階省議室で「学校教育等に関する移動の安全確保に向けた連絡会議」の第1回会合を開催し、再発防止に向けた検討を進めてきた。同省は6月30日付で取りまとめを公表し、全国の教育委員会や私立学校担当部局等に通知を発出する。

取りまとめは7項目で構成される。具体的には、学校・交通事業者ともに担当者任せにせず組織として対応するコンプライアンスの徹底、事業者選定と契約の透明化・文書化、レンタカー契約のあり方の整理、自家用車やレンタカーを使用する場合に確認すべき点を一覧化した安全管理チェックシートの活用、運転者は学校が直接手配することを基本とする運転者手配のあり方、教職員の同乗が望ましいことを踏まえた適切な配置、学校管理職や教職員に対する安全意識の啓発・研修である。文部科学省は5月19日付でスポーツ庁・文化庁・総合教育政策局・高等教育局の連名で発出した「部活動の遠征等における安全確保について(通知)」に加え、今回の取りまとめを各教育現場に徹底させる構えだ。国土交通省は関係業界団体への周知を担う。

危機管理マニュアルのガイドライン改定にも着手

松本大臣はさらに、学校保健安全法第29条に基づき各学校に作成が義務付けられている「危機管理マニュアル」について、「学校の危機管理マニュアル作成の手引」(平成30年2月)や「学校の『危機管理マニュアル』等の評価・見直しガイドライン」(令和3年6月)の改定にも着手する方針を示した。具体的な検討項目として、校外活動時の事前安全確認における留意点の明確化、設置者による学校安全管理の取組強化、保護者への情報提供のあり方などを挙げ、「できる限り速やかに」進める考えを表明している。

予算措置については、地域ごとに公共交通の事情が大きく異なり、部活動への参加・非参加で生徒間にも差が生じることから、交通費など個人給付の性格をもつ費用は基本的に受益者負担とする現行の整理を維持する意向を示した。当面は今回の対策の周知徹底に注力する。自家用車やレンタカーの利用そのものを一律に排除するものではないとしたうえで、安全管理チェックシート等を活用して安全確保に万全を期すよう求めた。松本大臣は、部活動が生徒の成長にとって重要な活動であることを踏まえ、安全確保と活動の充実とを両立させる必要性を強調した。