【9月8日 松本尚デジタル大臣・サイバー安全保障担当大臣会見】デジタル人材230万人目標を1年前倒しで達成
デジタル庁は2026年9月8日、松本尚(まつもと ひさし)デジタル大臣による記者会見を開催した。松本氏は、デジタル行財政改革担当、行政改革担当、国家公務員制度担当、サイバー安全保障担当を兼務するほか、内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障)も務めている。会見では、政府が掲げてきたデジタル人材の育成目標について前倒しでの達成が報告されたほか、2027年度以降の新たな目標や重点施策を検討する有識者会議を新設する方針が明らかにされた。
230万人目標を1年前倒しで達成
政府は「デジタル田園都市国家構想総合戦略」に基づき、2022年度から2026年度までの5年間で「デジタル推進人材」を230万人育成する目標を掲げてきた。松本大臣は会見で、2025年度末時点の累計育成数がすでに244万人に達し、目標を1年前倒しで達成したと報告した。
Photo by yu_photo/ Adobe Stock
技術の進展速度は近年ますます増しており、サイバーセキュリティへの対応を含め、専門人材の育成・確保をさらに強化する必要があると松本大臣は指摘した。デジタル庁としても、デジタル人材の育成・確保は重要な政策課題であるとの認識を改めて示した。
2027年度以降へ向け新検討会を設置
こうした状況を踏まえ、デジタル庁は「今後のデジタル人材育成政策に関する検討会」を新たに立ち上げる。同検討会は、2026年7月21日に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」において、デジタル人材育成に関する2027年度以降の政府目標及び取組方針をとりまとめることとされたことを踏まえて設置されるもので、設置根拠はデジタル監決定、座長は有識者が務める予定となっている。
松本大臣は会見で、第1回会合を2026年9月9日午後4時30分から開催すると説明し、みずからも冒頭から出席して有識者の意見に耳を傾けるとともに、議論に加わる考えを示した。検討会は2026年度内に5、6回の開催が予定されており、初回と最終回のみハイブリッド形式、それ以外はオンライン形式で実施される。会議自体は非公開とし、開催後に議事概要を公表する方針だ。松本大臣は、会議冒頭についてはメディアの取材を受け付ける準備を進めていると説明し、取材を呼びかけた。
サイバー人材確保を最優先に
質疑応答では、デジタル人材のうち特に不足が深刻な分野を問われた松本大臣は、基本的にすべての分野でデジタル人材が不足しているとの認識を示したうえで、国の安全保障を優先的に考えるべきだとして、サイバー攻撃への防御を担う人材を優先的に確保したいとの考えを述べた。こうした人材は政府に限らず、一般企業においても同様に求められているとしたうえで、AIの活用を推進する人材や、AIそのものを開発できる人材の確保にも力を入れたいという考えを語った。
また、優秀な人材をめぐって官民の間で争奪戦が起きているのではないかとの質問に対し、松本大臣は、政府としてどう人材にアピールしていくかという具体策は検討会での議論に委ねる考えを示した。そのうえで、給与などの待遇面で人材を囲い込むのではなく、府省庁や自治体、民間企業の間で人材を分かち合う人事交流の重要性を強調した。デジタル庁ではすでに民間出身者を多く受け入れて人材交流を実践しており、こうした知見を今後の検討にも生かしていく方針を明らかにした。
AI技術の進展とサイバーセキュリティ分野への対応が同時に求められるなか、官民の枠を超えた人材の育成・活用のあり方が改めて問われている。今回設置される検討会での議論は、2027年度以降の政府目標の策定に直結するだけに、今後の展開が注目される。
※このような政策動向・省庁会見の要点などを、毎日メールでまとめてお届けしています。▶無料メルマガ登録はこちら