地場産業のジュエリーを世界に発信 宝石美術専門学校

世界有数の宝石加工の街である甲府にある山梨県立宝石美術専門学校は、日本で唯一、ジュエリーについて学べる公立の専門学校だ。地元企業と連携した専門職能の育成や今後の展開について、飯野一朗校長に聞いた。

自分のデザインを、自分の手でジュエリーに

飯野 一朗

飯野 一朗

山梨県立宝石美術専門学校校長、東京藝術大学名誉教授、彫金家
東京藝術大学大学院美術研究科彫金専攻修了。2005~2017年まで同大で教授を務め、2018年4月より現職。日本ジュエリー展ジュエリー大賞、日本クラフト展クラフト賞ほか、受賞多数。「ジュエリーデザインアワード」審査委員長、「国際コイン・デザイン・コンペティション」審査委員などを務める。百貨店などで個展を開催し、作品は国内外の美術館に所蔵されている。

山梨県は世界的にも珍しい研磨宝飾産業の集積産地として知られ、水晶や瑪瑙(めのう)などを使った美術彫刻や、ジュエリーの素材である宝石の研磨加工、貴金属加工、さらには国内外への流通を行う企業など、ジュエリーに関わるあらゆる業種が集中している。産業の歴史は古く、江戸時代に上質の水晶が採掘され、水晶研磨の技法が伝えられたことから始まったとされる。

こうした県独自のジュエリーの歴史を守り伝えていくことを大きな使命とする宝石美術専門学校は、地元ジュエリー業界の振興策の一環として1981年に設立され、今年度で40年を迎える。産地の甲府に立地するという特色を…

(※全文:2131文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。