地域貢献を目指す山梨県立大学 キーワードは「グローカル」「地域」「実践」

地域に貢献する大学の実現と同時に、国内初となる大学等連携推進法人設立(予定)など、大学教育の変革を積極的に進める山梨県立大学。多様化する社会ニーズに応える大学運営について、理事長・学長の清水一彦氏に話を聞いた。

日本人としてのアイデンティティを持つ、グローカル人材の育成

──「グローカルな知の拠点となる大学」を目的の一つとしていますが、グローカル人材にはどのような資質・能力が必要だと考えますか?

清水 一彦

清水 一彦

山梨県立大学 理事長・学長
山梨県生まれ。1974年東京教育大学卒、1980年筑波大学大学院教育学研究科教育制度学博士課程満期退学、97年「日米の大学単位制度の比較史的研究」で同大学博士(教育学)。1983年清泉女学院短期大学専任講師、86年助教授、1988年筑波大学教育学系(大学研究センター)講師、91年助教授、99年教授となり、2009年筑波大学副学長・理事。2015年山梨県立大学理事長・学長に選任。文部科学省の中央教育審議会大学分科会で臨時委員を務める。

「グローカル」はグローバルとローカルを合わせた造語です。それを私は「日本人としてのアイデンティティを持ちながら、成果を生み出せる知識・能力と適性を有した人材」と定義しました。グローカル人材には「指導力、専門職業力、人間力、生涯学修力」4つの能力が不可欠だと考えます。

このうち人間力はスイスの教育学者のペスタロッチの3H主義にあるように、知力、技術力、そして相手を思いやる心情力です。また人生100年時代においては、生涯に渡って学び続ける力である生涯学修力を持つ必要があると思います。本学ではこの4つの資質・能力を備えるグローカル人材の育成を目指しています…

(※全文:2404文字 画像:あり)

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