山梨県立農業大学校のアグリビジネス人材の育成と、森林学科新設の構想

果樹を中心とした山梨県の農業人材を輩出する、専門学校山梨県立農業大学校。県の農業と農村を支える人材育成には何が求められるのか。実習を重視したカリキュラムや学外連携の取り組み、森林学科の新設など、同校を率いる中込正人校長に聞いた。

高卒生から60代も学ぶ、実習重視のカリキュラム

中込 正人

中込 正人

専門学校山梨県立農業大学校 校長
信州大学農学部園芸農学科卒業。1985年4月より、山梨県に勤務。山梨県職員として、大半の期間は、農業現場において農業改良普及業務に従事。観光部(主幹)、総合政策部(政策主幹)、農政部果樹・六次産業振興課課長を経て、2020年4月より現職。

昼夜の気温差が大きく、年間の日照時間が日本一長い山梨県は、果物や野菜の栽培に格好の条件を備える。果樹を中心に特色ある産地を形成し、ぶどう・桃の生産量は日本一である。特にぶどうについては、日本ワイン発祥の地として、その生産量およびワイナリー数は日本一を誇る。だが、県の農業を取り巻く状況は、決して楽観できるものではない。農産物価格の低迷や農業従事者の高齢化による耕作放棄地の増加など、さまざまな課題を抱えているのも事実だ。こうした状況に的確に対応し、農業を発展させていくためには、農業の成長産業化や農山村の活性化を促進させる必要がある。

農業後継者育成機関として1970年に開設され、2008年度から…

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