きのくに子どもの村学園 自由な子どもが育つためのDNAとは

教育目標に「自由な子ども」を掲げる、南アルプス子どもの村小学校・中学校。学校法人きのくに子どもの村学園が運営する私立学校の一つだ。学園長の堀真一郎氏は、自身の20代の頃からの構想を実現すべく、1992年に和歌山県の山中で同学園をスタート。その想いとこれまでの歩みを聞いた。

ニイル、デューイ、エッケンヘッド 3人のパイオニアに感化されて

堀 真一郎

堀 真一郎

学校法人きのくに子どもの村学園 理事長・学園長
1943年福井県勝山市生まれ。66年京都大学教育学部卒業。69年同大学大学院博士課程を中退して大阪市立大学助手。90同教授(教育学)。大阪市立大学学術博士。ニイル研究会および新しい学校をつくる会の代表をつとめ、92年4月和歌山県橋本市に学校法人きのくに子どもの村学園を、和歌山県橋本市に設立。94年に大阪市立大学を退職し、きのくに子どもの村学園の学園長に専念し、現在に至る。著書『きのくに子どもの村の教育─体験学習中心の自由学校の20年』『自由学校の設計』、新版ニイル選集(1)~(5)など多数。

1992年に最初のきのくに子どもの村学園をスタートして以来、和歌山県、福井県、山梨県、福岡県、長崎県に11もの学校(小学校・中学校各1校・高等専修学校1校)を立ち上げてきた堀さん。両親ともに教員で、母親が3年ほど勤めた山奥の小さな分校の雰囲気が好きで、「僻地の教師になろう」と教育学部を選んだという。

そんな堀さんが、大学時代に大きく影響を受けたのが、世界で一番自由な学校「サマーヒル・スクール」を創立した英国の教育家、A.S.ニイルだ。「子どもが本当に生き生きと自分で行動できるためには、子どもたちの心の中が解放されていないといけない」というのがニイルの考え方。さらに堀さんは、ニイルの考え方に、「書物だけで勉強するのではなく…

(※全文:2408文字 画像:あり)

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