島根県の教育史 藩校に見る好学の気風、近代日本哲学や文学の才能を輩出
東側の旧出雲国、西側の旧石見国、日本海に浮かぶ旧隠岐国の3地域から成る現在の島根県。出雲国を治めた松江藩、石見国の浜田藩と津和野藩の藩校を中心に、近世から近代、さらに現在に至る教育の足跡をたどる。
初代藩主が起こした松江藩学 改称を重ねながら時勢に対応
松江藩を治めた初代藩主松平直政(なおまさ)は学問への関心が高く、藩主になると間もなく藩学を開始した。その気風は代々受け継がれ、6代の宗衍(むねのぶ)は1758(宝暦8)年、儒者の桃白鹿(ももはくろく)を初代教授に迎え、藩政改革の一環として藩校文明館を開設した。後に1784(天明4)年、新しい学館に建て替えられた際に...
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