観光人材の育成プロセスを研究 人的ネットワークが観光地づくりを支える

昨今、各地で観光人材育成が行われているものの、必ずしも効果的な学習プログラムにはなっていないのが実状だ。観光経営人材の育成プロセスに必要な要件や効果のある育成方法について研究する、文教大学・種村聡子准教授に話を聞いた。

地域における観光人材育成は
なぜ難しいのか

種村 聡子

種村 聡子

文教大学 国際学部国際観光学科 准教授
1993年~2006年、全日本空輸株式会社に勤務。2010年~2018年、株式会社ANA総合研究所 客員研究員(非常勤)。武蔵大学 経済学部経営学科 助教、川村学園女子大学 生活創造学部観光文化学科 講師を経て、2021年4月より現職。博士(知識科学)。

──近年、全国各地で観光分野の人材育成が進められています。現状について、どのように見ていますか。

地域における観光人材の育成については、各地の観光団体や地方自治体、大学等が人材育成プログラムを実施しています。しかし、必ずしも効果的なプログラムばかりではないと感じています。

その要因の一つは、プログラム提供側の人材不足があると思います。カリキュラムの策定からプログラムの運営まで、すべてを一人で担当しなければならない観光団体や自治体も多いのが実状でしょう。そのため、どうしても専門的なノウハウに乏しい傾向があります。

また、教育目的や目標が曖昧で、体系的な人材育成プログラムがないままに実施しているケースも数多く見られます。予算のある自治体であれば、…

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