12億人の子どもが休校の影響受け、遠隔教育の格差に直面

世界の子どもたちの遠隔教育へのアクセスに関する最新データを、日本ユニセフ協会が発表した。新型コロナウイルス感染症のパンデミックの中で、学齢期の子ども約12億人が休校の影響を受け、遠隔教育の格差に直面している。ユニセフは、学習ツールや技術への公平なアクセスがないことで、世界の教育危機が深刻化するおそれがあると警鐘を鳴らしている。

今回の調査は、インターネット・テレビ・ラジオ・ソーシャルメディアなど、遠隔教育につなぐ媒体ごとに実施された。それによると、世界71カ国において、インターネットにアクセスできるのは人口の半数未満だった。

その一方で、127カ国の73%の政府が、休校中にオンラインのプラットフォームを通じて教育を提供していた。ラテンアメリカとカリブ海地域では、90%の政府が学習継続手段としてオンラインプラットフォームが含まれると回答している。また、アフリカの大部分の国では、ネットにアクセスできるのは人口の4分の1未満だった。

テレビは、政府が遠隔教育を提供するために使用する主要チャネルとなっており、127の報告国のうち4分の3の国が子どもへの教育手段として使用している。欧州と中央アジアでは90%以上、南アジアでは100%が使用していた。ラテンアメリカとカリブ海地域では、77%が全国的なテレビチャンネルを通じて教育プログラムを提供していた。

テレビ教室プログラムを通じて勉強する、北マケドニアの女の子

テレビ教室プログラムを通じて勉強する、北マケドニアの女の子

ラジオは、127カ国のうち60%が遠隔教育のために使用していた。地域ごとおよび地域内の所有率は大きく異なり、ラテンアメリカとカリブ海地域では4世帯のうち3世帯が所有していたが、南アジアでは5世帯のうち1世帯だけだった。

また、SMS・携帯電話・ソーシャルメディアは半数以上の国が代替システムとして使用しており、欧州と中央アジアの報告国の74%が使用していた。

さらに、127カ国の報告国の約半数が印刷された家庭学習用の教材を使用し、家庭訪問を実施していたのはわずか11%だった。