三菱重工、DXの推進を支えるデジタル人材の育成を加速

三菱重工グループは、経営目標「高利益体質と成長への投資の好循環」の実現に向け、「全体最適」と「領域拡大」という2つの柱からなる経営方針「Innovative Total Optimization(ITO)」を掲げており、その実現のため、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を支えるDI(デジタルイノベーション)人材の育成を加速している。
三菱重工グループは、国内外のグループ企業に在籍する、一般社員から経営幹部まで全社員を対象に、体系的なDI人材育成プログラムを展開。さらに、オープンイノベーションを積極的に推進し、外部パートナーやスタートアップとの協業を通じて世界の最先端技術や知見を取り入れている。こうした取り組みは、グローバルな人材ネットワークの形成を促進し、高度な人材の育成につながっているとしている。
三菱重工グループでは、社員の成長を可視化するため、「DI人材認定制度」を制定。デジタル技術の急速な変化に対応すべく、経済産業省の「デジタルスキル標準」を参考に、三菱重工グループ独自の人材モデルを定期的にアップデートし、常に最新の要件を反映している。
認定はBASIC・ADVANCED・MASTERの3段階で構成され、教育プログラムの受講実績、資格取得状況、プロジェクト経験などを総合的に評価。特にMASTERの認定は、デジタルイノベーション本部が定めた審査者による厳正な審査を経て認定される。
さらにDX推進を加速するため、社員同士がAIやデジタル活用などの知見を共有し合うコミュニティを展開。具体的には、海外拠点と連携してAI・デジタル技術活用を推進する「グローバルITカンファレンス」や、有識者によるAI活用に関する講義を毎月開催する「AIサロン」、革新的な業務改善アイデアを募り、優れた提案を実装につなげるアイデアコンテストを実施している。その結果、AI・デジタル活用が全社に浸透し、全事業所から改善アイデアが創出されたという。
こうしたコミュニティ活動の積み重ねにより、自ら課題を発見し、デジタル技術を活用して解決策を形にする取り組みが広がっている。社員が主体となり、デジタルの専門組織と連携をしながら、課題抽出からユースケース創出、システム実装、効果検証までの一貫したプロセスを実践している。実践を通じて社員のスキルや考え方が磨かれ、業務効率の改善や新規ビジネスモデルの創出など、具体的な成果が生まれているという。将来的には、育成したDI人材がグループ全体のDX推進の中核となり、新たな価値創造や事業変革を牽引していくことを目指している。

三菱重工業株式会社・プレスリリースより