専門家の知を学習した「熟達者AI」を提供 東大i.school
東京大学のイノベーション教育プログラム「i.school」の知見を基盤に設立された株式会社i.school Technologiesは、特定分野に精通した専門家(熟達者)の経験や知見を学習し、独自の回答を提供することで、ユーザーの知的好奇心や、探究を支援するツール「熟達者AI」を提供している。
i.school Technologiesでは、10年以上の研鑽を積み、知見が組織化されている人のことを「熟達者」としている。「熟達者AI」は、専門分野の異なる熟達者の知見をそれぞれ個別に学習し、生成AIによる回答の生成を行う。
株式会社i.school Technologies・プレスリリースより
「熟達者AI」が学習しているのは、書籍や個人のメモなど、インターネットに掲載されていない情報だ。熟達者本人が、AIの回答の質を確認し必要に応じてアップデートしている。また、熟達者が持つ暗黙知(まだ言語化されていない考えや知)を引き出すインタビューを実施することで、ユーザーの「答えなき問い」に対する熟達者の思考に触れることも可能だという。さらに、「熟達者AI」は、正解を提示すること以上に、ユーザーの中に新しい疑問や探究心が生まれることをゴールとして設計されている。
すでに様々なシーンで導入・活用が進んでおり、ビジネス領域では、正解のないテーマを扱うアイディア創出ワークショップや新規事業検討の初期段階において、特定領域におけるリサーチの糸口を見つけたり、アイディアを壁打ちする対話相手として活用されている。
大学・研究機関では、研究テーマの設定や既存研究の枠組みを捉え直す過程で、リサーチクエスチョンの質を高めたり、研究を進める際の支援ツールとして活用。高等学校(探究学習)では、生徒一人ひとりの関心を出発点に探究対象を言語化していくプロセスにおいて、幅広い専門分野の熟達者の知に触れながら、探究を進めていくことを支援しているという。
i.school Technologiesでは今後、熟達者の数を増やし、様々な専門領域に対応できるようにすることで、知的創造を支える新しい学習インフラを目指すとしている。