就労だけでなく社会参加の促進が、高齢者のウェルビーイングを支える

日本は世界に誇る長寿社会を実現したが、高齢者の自己肯定感は必ずしも高いわけではなく、定年後の社会的孤立も深刻化している。神戸大学の片桐恵子教授は、雇用延長だけでは高齢期のウェルビーイングは実現できないと指摘。仕事と社会参加を組み合わせることの重要性を説く。

高齢社会に関して
国際的・学際的な研究に取り組む

片桐 恵子

片桐 恵子

神戸大学 ウェルビーイング先端研究センター長
神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 教授
専門:社会老年学、社会心理学。1986年、東京大学文学部(社会心理学)卒業後、日本火災海上保険入社。1996年、日本興亜福祉財団社会老年学研究所主任研究員。2003年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。2006年、博士(社会心理学)。2013年、神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授。2018年、同研究科教授。2022年から神戸大学ウェルビーイング先端研究センター長も務める。

── 片桐先生は社会老年学や社会心理学の観点から、高齢者の就労や社会参加に関する国際的・学際的な研究に取り組まれています。

私は大学卒業後、民間企業で働いていましたが、会社の支援を受けて大学院に進学し、高齢社会に関する研究に取り組みました。修士論文では、定年退職が日本人にとって必ずしも“ハッピー・リタイアメント”ではなく、心理的・社会的にネガティブな影響を及ぼす場合があることを示しました。博士論文ではそれを軽減する鍵として、社会参加の重要性をデータを用いて明らかにしました。

(※全文:3527文字 画像:あり)

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