60代からのキャリア開発 越境体験が拓く新たな可能性

人生100年時代にもかかわらず、主体的なキャリア形成に課題を抱えるシニアも少なくない。シニアのキャリア支援に30年以上携わり、東京都「東京セカンドキャリア塾」講師なども務める髙平ゆかり氏に、個人に求められる意識改革と、企業が果たすべき役割について聞いた。

会社依存から脱却し、
主体的なキャリア形成が重要に

髙平 ゆかり

髙平 ゆかり

一般社団法人シニアセカンドキャリア推進協会 代表理事
産業能率大学大学院 経営情報学研究科経営情報学専攻MBAコース修了。1986年~2011年、株式会社エム・シー・メイツ(三菱商事と全日空の人材派遣会社)。2011年~2017年、株式会社マイスター60(シニア専門の人材会社役員)。2017年7月から一般社団法人シニアセカンドキャリア推進協会 代表理事を務める。人材ビジネスに長年従事し、特に高齢者雇用に係る高齢者派遣事業及び再就職支援事業、職業紹介事業、出向支援に携わる。シニアの再就労、キャリア開発、多様な働き方への提言を行いつつ、若年層向けキャリア教育にも関心を持ち現役高校生や大学生に向けた就職講座、キャリア講座も多数提供。

── シニア世代がキャリア開発を進める上で、どのような課題があると感じていますか。

最大の課題は「主体性の欠如」です。長年、会社主導の人事制度のもとで働いてきた結果、自分自身でキャリアを考える姿勢を持たないまま、定年期を迎える方がいます。会社の方針に従い、与えられた仕事をこなすことが当たり前だった世代にとって、自律的に将来を設計することは容易ではありません。

しかし近年、早期退職や組織再編など、個人が変化に向き合わざるを得ない局面が増えてきました。現在の50~60代前半の層はかつての中高年層と比べると、「この先のキャリアを自分で考えなければならない」という主体的な意識が確実に強まっています。

とはいえ、理解していても行動に移せない人が多いのも事実です。「必要性は分かっているが、一歩が踏み出せない」「まだ何とかなるのではないか」と先送りしてしまう。会社への依存意識が残っている人も少なくありません。だからこそ、理想を言えば50~60代になってから慌てるのではなく、もっと早い段階の20~40代からキャリアを自分ごととして考える意識を持つことが重要だと感じています。

(※全文:2554文字 画像:あり)

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