シニアの経験知を「組織の力」に 企業に求められる視点と取組み

就業期間が延長され、多くの人が65歳、さらには70歳まで働くことが一般化している。シニアに求められる能力とは何か。企業はどのような役割設計や支援を行うべきか。シニアの活躍促進に向けた施策について、人的資源管理の専門家である玉川大学の大木栄一教授に話を聞いた。

シニアに求められるのは
サポート力と変化適応能力

大木 栄一

大木 栄一弥

玉川大学 経営学部 教授
1964年生まれ。労働政策研究・研修機構研究員、職業能力開発総合大学校准教授、東京大学社会科学研究所特任研究員を経て、現職。専門分野は人的資源管理(人材マネジメント)。著書・共著に『人材サービス産業の新しい役割』、『中小製造業における人材育成・能力開発』、『企業の高齢者の受け入れ・教育訓練と高齢者の転職に関する調査研究報告書』など。

── シニア人材に求められる能力について、どのように見ていますか。

私はキャリアを大きく3つの段階で捉えています。第1は若年期における能力を形成する時期。第2は管理職や専門職として、その能力を発揮する時期。そして第3が、シニア期における現役世代をサポートする時期です。

シニアに求められるのは、自分が前面に出て活躍することではありません。若い世代や中堅世代が能力を発揮しやすいよう、職場を支え、サポートする役割です。職場環境を整え、周囲が働きやすくなるように「支える力」が重要なのです。

シニアの方々は、自身の成功体験を語りたい気持ちがあるかもしれません。しかし「昔はこうだった」と過去のやり方を押し付けてしまうと、大きく変化している現在の市場環境では、かえって足かせになってしまいます。相手の状況を見極め、あえて「待つ」ことも重要な能力でしょう。

(※全文:2433文字 画像:あり)

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