九州大学 産学官連携の新会社を設立し、社会変革を牽引する

「総合知で社会変革を牽引する大学」を目指す九州大学。その実現に向けて、2024年4月、学内の産学官連携組織を子会社化した九大OIP株式会社が設立された。外部法人化の狙いやこれまでの手応え、今後のビジョンについて、同社代表取締役として事業を牽引する大西晋嗣教授に聞いた。

社会変革を牽引するため
産学官連携のすべてを子会社化

大西 晋嗣

大西 晋嗣

九州大学 学術研究・産学官連携本部教授および副理事(産学官連携担当)
九大OIP株式会社 代表取締役
2007年より関西TLO株式会社にて大学知財の技術移転活動に従事。その後、特許に限らない大学のKnowledgeの移転活動を目指した京大オリジナル株式会社を2018年に設立。2020年より九州大学学術研究・産学官連携本部教授および副理事(産学官連携担当)、九州大学の総合知を活用した産学官連携活動を推進中。また、2024年4月に九州大学の産学連携活動を担う100%子会社、九大OIP株式会社を設立、同社代表取締役に就任。

──九大OIPを外部法人化した狙いや、産学官連携の推進体制の特色をお聞かせください。

九州大学では、2030年に目指す姿を「総合知で社会変革を牽引する大学」と定めています。その実現に向けて「Kyushu University VISION 2030」を策定し、「知の拠点として地域社会やグローバル社会と共生・共創し、研究教育活動を通して社会の持続可能な発展と人々のウェルビーイングの向上に貢献する」という社会共創のビジョンを掲げています。

共同研究案件の獲得や大学発スタートアップの設立はもちろん重要です。ただし、それは「社会変革を牽引する」手段に過ぎません。その先にある産業創生や雇用創出を産学官連携で目指すべきだと考えています。そこで、学内にあった産学官連携に関する業務を一手に担う組織として、…

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