廃校を再生 人の営みを最大化し、「なんでもできる世界」をつくる
廃校をリノベーションした複合施設「いいかねPalette」は、「なんでもできる世界をつくる」をミッションに掲げ、これまで10万人以上のつながりを生んできた。運営するBOOKの代表・青柳考哉氏が目指すのは、人の営みを最大化し、地域に新しい経済の循環をつくり出すことだ。
「なんでもできる世界」を目指し
廃校に地域外から人を集める

青柳 考哉
いいかねPalette 代表
株式会社BOOK 代表取締役
福岡県田川市出身。九州産業大学美術学部卒業後、中洲でアルバイトをしつつバンド活動を続けたのち、2010年に株式会社博報堂プロダクツに入社、TV-CM事業に携わる。2013年、右脳事件株式会社に入社し、コンテンツ制作の企画営業を経験。父親の他界を機にUターンし、2017年に株式会社BOOKに入社。廃校となった母校を利活用した「旧猪位金小学校(現いいかねPalette)」の立ち上げに携わる。2018年、経営不振のためリストラに遭うが解雇後もスーパーボランティア(無給)として経営再建・運営に携わり、制作プロダクション事業「猪国PRODUCTS」を立ち上げるなど、再建に貢献。2022年4月、株式会社BOOK代表取締役に就任。
福岡県田川市にある「いいかねPalette」は、2014年に廃校となった猪位金(いいかね)小学校を再生した廃校活用施設だ。学校の管理運営団体を決めるプロポーザルに株式会社BOOKが手を挙げ、2017年4月に事業をスタートした。コンセプトは「なんでもできる世界をつくる」。「私たちが目指すのは、地方で暮らしていても自己実現できる世界です」と、BOOKの代表・青柳考哉氏は言う。
いいかねPaletteは「遊ぶ」「住む」「働く」の様々な使い方ができる。調理器具が揃ったキッチンスペース、ビデオゲームやボードゲームなどを楽しめるリラックスルーム、ワーキングスペース、ドミトリーや個室の宿泊スペースもある。中庭や屋上や教室を借りてマルシェやイベントを開催することもできる。
特に充実しているのが音楽関連の設備だ。自由にピアノが弾けたりレコードが購入できるエントランス、音楽を収録できるリハーサルスタジオ、…
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