東京大学のリベラルアーツ 複雑な世界から「課題を発見する」力を
東京大学は社会人を対象に、リベラルアーツとマネジメントの力を身に付ける「東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム」を展開。同プログラムに携わる小野塚知二・特任教授は「特に指導的な立場に立つビジネスパーソンにとって、リベラルアーツは不可欠」と語る。
「課題解決能力」ではなく
「課題設定能力」の獲得が重要

小野塚 知二
東京大学 特任教授/名誉教授
東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム コチェア
放送大学 客員教授
1957年生まれ。1987年東京大学大学院・経済学研究科・第二種博士課程単位取得退学。同年東京大学社会科学研究所助手。横浜市立大学商学部助教授を経て、1996年東京大学経済学研究科助教授、2001年より教授。2022年3月定年退職。専門は西洋近現代社会経済史。『経済史:いまを知り、未来を生きるために』(有斐閣、2018年)、『共同体の基礎理論 他六篇』(大塚久雄著/小野塚知二編・校訂・解説)岩波文庫、2021年)など、編著書多数。
── 小野塚先生は「東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム(東大EMP)」に2008年の立ち上げ時から携わられています。リベラルアーツの重要性について、どのように考えていますか。
先行きが不透明な時代において未来を拓くために求められるのは、「課題解決能力」ではなく「課題設定能力」の獲得です。従来の手法や経験はもはや通用せず、既存の課題を解決する能力よりも、まだ誰も気づいていない未知の問題を発見する力が重要になっています。
(※全文:3611文字 画像:あり)
全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。