心のメカニズムを学びストレスへの理解を深める 心理学

リベラルアーツは、人間を自由にするための技法と訳される。『はじめてのストレス心理学』の著者で、心理生理学の専門家であり、ストレスなどを研究する東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授の永岑光恵氏に、リベラルアーツにおける心理学、ストレスについて話を伺った。

心理学の学びを通じて
ストレスに関する偏見からの解放

永岑 光恵

永岑 光恵

東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院 教授
東京女子大学文理学部心理学科卒業。東京工業大学大学院社会理工学研究科修士課程修了後、ドイツ連邦共和国トリア大学心理生物学・心身医学研究所に留学。東京工業大学大学院社会理工学研究科人間行動システム専攻博士課程修了、博士(理学)。国立精神・神経センター精神保健研究所成人精神保健部(現:国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所行動医学研究部)にてリサーチレジデント等を経て、防衛大学校人間文化学科准教授。その後、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授。2023年4月より現職。主な著書に『はじめてのストレス心理学』(岩崎学術出版社)など。

── リベラルアーツとして心理学を学ぶことの意義は何でしょうか。

人間が偏見などから自由になることだと考えています。社会で生きるために、個々の心の有り様や他者との関係性に向き合うことは避けられません。心理学は心の理(法則)を解明してきました。直感や経験値で認識している心のメカニズムが、必ずしもそうではないということを学ぶことが、新たな対人関係や自己理解につながっていきます。

(※全文:2635文字 画像:あり)

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