小学生の視力矯正に潜む盲点 未矯正児の約半数、保護者「メガネに誤解」
メガネブランド「Zoff(ゾフ)」を運営する株式会社インターメスティックは、小学生約2,300人の視力データ分析および、保護者・教諭を対象とした意識調査の結果を公開した。調査の結果、視力矯正が必要な子どものうち、46.1%が未矯正の状態にあるという実態が浮き彫りになった。
進む子どもの視力低下と、置き去りにされる矯正
今回の調査は、小学校6校より提供を受けた約2,300人分の視力データに基づいている。分析によると、視力矯正が必要とされるC・D判定(一般的に視力0.3〜0.6以下)に該当する児童は全体の約3割にのぼる。
特筆すべきは、矯正が必要な児童711人のうち、328人が未矯正である点だ。また、すでに視力矯正を行っている児童であっても、矯正後の測定でC・D判定となったのが178人と、約半数が適切な視力に達していないという。子どもの視力低下が進行する一方で、適切なケアが追いついていない現状が可視化された。
保護者の意識と「メガネの誤解」という壁
なぜ、視力矯正が遅れてしまうのか。調査からは、保護者の知識不足と不安が要因として浮かび上がる。保護者の約半数が「視力矯正が必要な基準を知らない」と回答しており、子どもの視力矯正の判断基準について保護者の認知が十分に広がっていない実態が明らかになった。
さらに、保護者の48.2%が「メガネをかけると視力が低下しやすくなる・悪くなる」と思ったことがあると回答。子どもの視力がC・Dと答えた保護者に、メガネを使用させるのを「様子見」したことがあるか尋ねたところ、66.6%が何らかの理由で様子見した経験があることがわかった。その主な理由は「視力が低下しやすくなると思った」という回答が60.5%に達している。
教育現場からの声
小学校教諭へのアンケートでは、68%が「視力低下が原因で授業に集中できていない様子の子どもを見たことがある」と回答。また、約4割(39%)の教諭が「メガネが原因でケガをしたシーンを見たことがある」と回答しており、安全面への懸念も視力矯正を阻む一因となっている。
実際、保護者がメガネに求める要素の1位は「安全性」(66.3%)、2位は「壊れにくさ」(62%)であり、活発に動く小学生の日常生活において、従来のメガネでは不安を感じる層が多いことがうかがえる。
専門家による提言
藤田医科大学・山陽小野田市立山口東京理科大学教授の山本直樹氏は、今回の結果を受けて「視力矯正に関する情報、判断基準が十分に行き渡っていない現状、およびメガネに対するイメージ・不安が結果として対応の遅れにつながっている可能性が明らかになりました。子どもの視力対策は家庭だけで完結するものではなく、教育環境や社会全体で支えていく必要がある課題といえます」とコメントした。