【6月12日松本尚デジタル大臣・サイバー安全保障担当大臣会見】生成AI調達・利活用ガイドライン改定 AIエージェントなど新たに対象に

デジタル庁は2026年6月12日、「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン」を改定し、同庁ウェブサイトで公表した。同日の記者会見で松本尚(まつもと ひさし)デジタル大臣・サイバー安全保障担当大臣がその内容を説明した。

このガイドラインは、各省庁における生成AIのガバナンスや調達・利活用のルールを確立するため、2025年5月27日に開催した第19回デジタル社会推進会議幹事会の書面開催で決定されたものだ。その後も生成AI技術の発展や政府におけるユースケースの広がり、各種リスク対策の必要性を踏まえ、今年春頃の改定を目指してきた。改定案については2026年3月18日から4月8日にかけてパブリックコメントを実施しており、今回の公表はその結果も反映した正式改定となる。

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今回の主な改定点は3点ある。第1に、適用対象の拡大だ。従来のテキスト生成AIに加え、音声や画像の出力にも適用対象を広げた。第2に、知的財産権等の保護に関する記載の拡充だ。第3に、AIエージェントについても先進的AI利活用アドバイザリーボードへの報告対象とすることだ。AIエージェントの導入が進むなかで、ガバナンスの強化や安全保障・サイバーセキュリティへの対応が急務になっているとし、松本大臣は「こうしたルール形成は急務だ」と強調した。

ガイドラインは利活用の加速とリスク管理を表裏一体で進めることを明確に打ち出している。高リスクの可能性がある案件においても積極的な実施を可能にするため、デジタル庁に設置された「先進的AI利活用アドバイザリーボード」や「AI相談窓口」を活用できる仕組みが設けられている。

また松本大臣は、全府省庁の政府職員約18万人を対象としたガバメントAI「源内(げんない)」の大規模実証にも触れ、全員へのアクセス付与がまだ完了していないことから、普及状況に合わせながらガイドラインを運用し、不足点があれば随時改定していく考えを示した。

同日の会見では、サイバー安全保障担当大臣としての報告も行われた。内閣官房国家サイバー統括室が所管する「政府機関等の対策基準策定のためのガイドライン(令和7年度版)」も同日一部改定し、公表した。2026年5月18日に内閣官房国家安全保障局・国家サイバー統括室など14の省庁・機関が連名で取りまとめた国家的AIサイバー防衛パッケージ「Project YATA-Shield」を踏まえ、セキュリティパッチの迅速な適用が必要な場合に情報システムの運用を一時停止することも含めた、生成AIの悪用リスクに備えた対策の強化が盛り込まれた。

松本大臣は「情報システムの運用停止には大きなリーダーシップが必要だが、リスクに合わせてトップがそういった決断を下すことも必要だ」と述べ、各省庁のシステム担当責任者が脆弱性情報を相互に共有し、パッチ適用を抜かりなく進めるよう求めた。

人材育成については、サイバーセキュリティ分野のフレームワーク整備を進めると同時に、デジタル庁が有する民間専門人材との連携を積極的に活用する方針を示した。