総合教育・生涯学習を目指した、日本最大級の藩校「弘道館」

茨城県域は江戸時代、徳川御三家水戸藩の治世のもとで豊かな文化教育政策が行われ、特に徳川斉昭が設立した「弘道館」では最盛期に1,000人が学び、多数の人材を輩出した。明治以降は、日立製作所の創業者・小平波平が実務技能教育を推進した。

『大日本史』の編纂と、水戸学の成立

茨城県は古来より肥沃な土地として知られ、奈良時代に編纂された『常陸国風土記』では、土地が広く海や山の幸に恵まれた「常世の国」であると記述されている。

江戸時代には御三家としての水戸藩徳川家が置かれ、政治的な安定のもとに茨城県域は発展を続けたが、教育・思想という観点では第2代光圀と第9代斉昭が著名である。

徳川光圀

徳川光圀

徳川光圀(1628~1700)は寛文元年(1661年)に父頼房の跡を継いで第2代水戸藩主となった。御三家の一員として幕府政治を支え、藩政安定や勧農に努めた名君として知られるが、中でも最大の仕事は『大日本史』の…

(※全文:1953文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。