共通価値観の浸透に向けて、今ある「良い行動」の可視化を

組織の「共通価値観」としてミッション、ビジョン、バリュー等を定めているものの、現場には浸透せず、形骸化しているケースも多いと見られる。共通価値観の浸透に向けた取組みについて、数多くの企業のカルチャー変革に貢献しているUnipos・松島稔社長に話を聞いた。

現在・未来の時間軸を踏まえ、
自社の共通価値観を整理する

松島 稔

松島 稔

Unipos株式会社 代表取締役社長
2013年、現Unipos株式会社(旧Fringe81株式会社)取締役COOに就任。同社COOとしてプロダクト企画・事業開発・事業提携・営業マネジメントを管掌。2016年、Uniposの東証グロース市場への上場に貢献。2021年、Sansan株式会社との資本業務提携を主導。2021年、Unipos 代表取締役副社長COOに就任。2025年1月、Unipos代表取締役社長に就任。

── 企業のパーパス(存在意義)、ミッション(使命)、ビジョン(将来像)、バリュー(行動指針)について、どのように整理できますか。

パーパス、ミッション、ビジョン、バリューはそれぞれ異なる役割を持ちながらも、組織の基盤となる「共通価値観」を明文化したものであり、以下のように定義できます。

パーパス:組織が社会に果たすべき存在意義
ミッション:組織の目的や存在理由を明確にするステートメント
ビジョン:組織が目指す長期的な目標・理想像
バリュー:組織が大切にする行動・判断基準

これらの要素を整理する際には、時間軸の違いを意識することが重要です。パーパス、ミッション、ビジョンは未来志向であるのに対し、バリューは「今」を重視します。経営層は長期的な方向性を考えますが、現場の事業部門は日々の課題に直面しています。こうした時間軸の違いをきちんと認識しないと、共通価値観の浸透に向けた施策を実行しても現場では機能せず、形骸化してしまう恐れがあります。

(※全文:1967文字 画像:あり)

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