日本が3分野全てでOECD加盟国中1位、読解力低下に課題も「PISA2025」

OECD(経済協力開発機構)は9月8日、生徒の学習到達度調査「PISA2025」の調査結果を発表した。

国立教育政策研究所の「PISA2025のポイント」によると、日本は数学的リテラシー(1位/5位)、読解力(1位/4位)、科学コンピテンシー(1位/5位)で、調査開始以降初めて3分野全てでOECD加盟国(38か国)中1位となった〔( )の左側はOECD加盟国中、右側は全参加国(91か国)・地域中における日本の順位〕。

国立教育政策研究所の公式HPより(画像はクリックすると拡大します)


今回、初めて実施したラーニング・イン・デジタルワールド(略称LDW:ICTを活用した自律的な学習〔自己調整学習〕のプロセスを通して、問題解決し、その中で新しい知識を獲得する能力)もOECD加盟国中1位(全参加国・地域中では4位)だった。今回調査のLDWは「コンピュテーショナルな問題解決能力」と「自己調整学習」の2つの構成要素から成り立っているが、今回の公表は「コンピュテーショナルな問題解決能力」部分のみで「自己調整学習」を含むLDW全体は2027年に公表予定。

日本は3分野全てで世界トップレベルを維持したが、前回(2022)と比較して「読解力」の平均点は有意に低下(-13点)した。また、3分野全て低得点層の割合(習熟度レベル1以下)は有意に上昇(前回13.8%→今回18.6%)するといった課題も見られた。一方、高得点層の割合に有意な変化はなかった。OECDは、生徒の学びについて、学習への関与(好奇心、忍耐力、自己調整)、学校や家庭からの支援、安全で公正な学習環境なども含め、多面的に捉えることの重要性を示唆した。

「質問調査」の結果では「学習の自己調整(目標設定)の頻度」に関する項目について、日本は肯定的回答の割合がOECD平均よりも低かった。一方、「将来の進路に関する見通しや支援」に関する項目のうち、「学校を出た後の社会人としての生き方については、あまり教えてくれなかった」「学校なんて時間の無駄だった」という設問に対し、日本は、否定的回答の割合がOECD平均よりも高かった。

学校内・学校外でのデジタル・リソースの利用状況では、学校内の利用頻度指標は、OECD加盟国24か国中5位で、OECD平均よりも高く、学校外の利用頻度指標もOECD加盟国24か国中2位で、OECD平均よりも高い結果となった。また、学校での学習活動における「デジタル・リソースでの活動に費やす時間」は、日本もOECD平均も、ともに1人あたり1日平均1.7時間程度だった。

日本、OECD平均ともに、学校での学習活動においてデジタル・リソースを適度に使用する場合、科学コンピテンシーの平均得点は高い傾向が見られる。一方、使用しない、又は長時間使用する場合には、科学コンピテンシーの平均得点は低い傾向が見られた。

「休日の余暇活動におけるデジタル利用時間」指標は、OECD加盟国24か国中17位で、日本はOECD平均よりも低い。特に「SNSを閲覧する」時間について、日本は平均2.9時間であり、OECD加盟国24か国中20位(OECD平均は3.1時間)だった。

学校の勉強における「AIの利用頻度」指標は、OECD加盟国38か国中38位だった。学校で、AIによって生成された情報の質を評価することを学ぶ機会があり、かつ、AIを学習の助けとして適度に利用する生徒は、そうでない生徒に比べて、科学コンピテンシーの平均得点が高い傾向にあった。

生徒の学習到達度調査「PISA2025」の概要は下記から確認できる。
https://www.nier.go.jp/05_kenkyu_seika/pisa/index.html