文科省 産官学の連携を推進し、リスキリング・エコシステムを構築へ

社会構造が急速に変化するなか、リスキリングは国の成長戦略の中核に位置づけられている。文部科学省は、企業の人材ニーズに応えるプログラムの開発・提供を支援。産学官が連携し、持続的にリスキリング・リカレント教育を推進できるエコシステムの構築を目指している。

世界から取り残される日本、
リカレント教育が重要に

片見 悟史

片見 悟史

文部科学省 総合教育政策局 生涯学習推進課
リカレント教育 民間教育振興室長
1984年東京都生まれ。2006年文部科学省入省後、高等教育、法令審議、原子力安全、情報セキュリティ、教員免許制度、スポーツ政策、教育制度改革など多岐にわたる分野を担当。2020年より千葉市教育委員会で教育改革を推進し、2022年に文部科学省に帰任。私学行政課課長補佐を経て、現職にて総合教育政策局生涯学習推進課リカレント教育 民間教育振興室長を務める。

日本の時間当たり労働生産性はOECD加盟38ヵ国中29位であり、先進国で最下位という厳しい現実がある(日本生産性本部「労働生産性の国際比較2024」)。仕事関連の成人学習参加率が高い国ほど、時間当たりの労働生産性が高い傾向にあり、この低迷の背景には、日本企業の人材育成や社会人の学び直しに対する消極的な姿勢があると考えられる。

日本企業のOJT以外の人材投資(対GDP比、2010~2014年)は先進国の中で最も低く、米国の2.08%、フランスの1.78%に対し、日本はわずか0.1%に過ぎない(学習院大学・宮川努教授による推計(厚生労働省「平成30年版労働経済の分析」))。さらに、社外学習・自己啓発を行っていない個人の割合は52.6%と、諸外国と比較して著しく高い水準にある(パーソル研究所「グローバル就業実態・成長意識調査」(2022年))。

(※全文:2093文字 画像:あり)

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