10兆円ファンドの支援対象校「国際卓越研究大学」第1号に東北大が決定

文部科学省は6月14日、「国際卓越研究大学の認定等に関する有識者会議」(アドバイザリーボード)が、東北大学がいわゆる「10兆円ファンド」の支援対象校である「国際卓越研究大学」への認定に必要な水準を満たしていると判断したことを発表した。

「10兆円大学ファンド」は、高度な研究能力を誇る一部の国内大学の研究水準をより高め、世界最高レベルとすべく、閣議決定「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」(2020年 12 月)にもとづき設立された基金。政府出資0.5兆円と財政融資資金4兆円から成る4.5兆円の元本を、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運用し、10兆円規模に拡大。そこから「国際卓越研究大学」に認定された大学数校に助成を行うというスキーム。

2022年12月から昨年3月まで行われた公募には、東北大の他に、東京大学、京都大学、大阪大学、名古屋大学、九州大学、筑波大学、(仮称)東京科学大学(旧・東京医科歯科大学および東京工業大学)、早稲田大学、東京理科大学が応募。9月、アドバイザリーボードによる審査の結果「今後一定の条件を満たした場合に認定する」という意味で、東北大学が唯一「認定候補」に選ばれた。

審査はこれまでの実績に加え、研究やその成果活用の体制をいかに改良していくかを示した「研究等体制強化計画」にもとづき行われたが、その「研究等体制強化計画」の一部が、練り直しが必要とされた。東北大学はその後、アドバイザリーボードと対話を重ね、練り直しを実施。この度、国際卓越研究大学への認定に必要な水準を満たしていると判断された。

今後、東北大学は改正国立大学法人法にもとづき運営方針会議の設置を、文部科学省は国際卓越研究大学法にもとづき認定の手続きを進めていくことになる。

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