持続可能社会の実現へ、「地域に学ぶ」新しい大学をつくる

長崎県・対馬の北部、日本最北西端の佐護地域で今、地域の「智恵」「技」「心」を未来へと紡ぐ人を育てる学び舎の準備が進められている。2023年10月に開学する予定の「対馬地球大学」が目指すのは、地域に学ぶことで、持続可能な社会に向けた学びを提供することだ。

16年越しの想いをカタチに
対馬で新しい「大学」を設立へ

高野 清華

高野 清華

株式会社 対馬地球大学 代表
1983年生まれ、熊本県出身。米国留学や東京での活動を経て、2007年に島根県海士町へ移住。株式会社 巡の環(現在の「風と土と」)創業メンバー。2012年、同社を卒業して山陰でフリーライターとして活動後、熊本県山都町へ移住。2013年、合同会社じゅんぐり舎設立。研修・イベント企画運営や執筆編集、集落ワークショップなどのまちづくり支援を手がける。2019年から長崎県対馬市の佐護地域を拠点とし、まちづくりに取り組む。

対馬地球大学の代表、高野清華氏が新しい大学の創設を思い立ったのは、16年前にさかのぼる。学生時代から様々なNPO活動に携わり、より良い社会の実現に自分なりに貢献したいと模索していた高野氏は、2005年に米国に留学。そこで国際的な教育機関「Gaia University(ガイア・ユニバーシティ、地球大学)」の存在を知り、創設者に直接、話を聞きに行った。

「ガイア・ユニバーシティは国境を越えて連携しながら、持続可能な社会づくりに本気で取り組んでいました。いつか私も日本で地球大学を設立したいと思ったんです」

米国から帰国した高野氏は2007年、島根県海士町へ移住。海士町は「教育の島」として知られ、その地で高野氏は地域づくりや教育事業に取り組む株式会社巡の環(現在の「風と土と」)の創業メンバーになった。その後、熊本県山都町などでのまちづくり支援を経て、…

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