長崎海洋アカデミー 産官学で連携し、洋上風力発電の専門人材を育てる

世界的に脱炭素への動きが加速しており、海洋エネルギーは成長産業の1つとして期待されている。しかし、その分野を担う専門人材の不足は大きな課題だ。そうした中で今、長崎を拠点に洋上風力発電のプロフェッショナル人材の育成が進められている。

アジア初の人材育成機関
「長崎海洋アカデミー」を展開

松尾 博志

松尾 博志

長崎海洋産業クラスター形成推進協議会 エグゼクティブコーディネーター
1977年、長崎市生まれ。東京大学環境海洋工学修士。卒業後は野村総合研究所で10年間、経営コンサルタントとして活躍。洋上風力発電や潮流発電等の海洋再生可能エネルギーの導入に向けて活動を行うため、2012年に東京から地元長崎市にUターンして活動を開始。2014年にNPO法人長崎海洋産業クラスター形成推進協議会に参画。長崎海洋アカデミーの講師も務める。

2020年10月に開講した長崎海洋アカデミーは、洋上風力発電を含む海洋エネルギーに関するアジア初の人材育成機関だ。長崎海洋産業クラスター形成推進協議会が日本財団の支援を受け、長崎県、長崎大学などと連携して運営している。同協議会は、海洋産業に参入意欲のある企業によって設立されたNPO法人であり、現在、約100社が正会員に名を連ねる。

長崎海洋アカデミーは産官学が一体となった取組みだ。長崎大学文教キャンパス内に設置された専用スペースで講座を開講し、講師陣は同協議会の海洋工学の専門家や長崎大学、長崎総合科学大学の教員がそれぞれの専門分野ごとに担当する。また、実務経験が重要になる分野では、…

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