九州大学が「サステナブル水素研究所」を4月設立、世界的研究拠点形成へ

九州大学は2026年4月1日付で、「サステナブル水素研究所(HYDROGENIUS)」を設立すると発表した。学内の水素材料先端科学研究センター、水素エネルギー国際研究センター、次世代燃料電池産学連携研究センターの3組織を統合し、水素の製造から輸送・貯蔵、利用、さらに社会実装までを一体的に推進する研究拠点を目指す。

新研究所は「水素の製造」「輸送・貯蔵」「利用」「連携研究」の4部門で構成される。グリーン水素製造に向けた触媒・電気化学研究のほか、金属・高分子材料を活用した安全性基盤の構築、燃料電池技術の高度化、エネルギーシステム全体の設計・実証まで、水素バリューチェーン全体を俯瞰した研究開発を進める方針だ。

国際連携の強化も大きな柱となる。シニアアドバイザーには、米国エネルギー省(DOE)で水素・燃料電池技術室のディレクターを務めたスニータ・サティヤパル博士が就任。同氏は25カ国以上との国際的な水素パートナーシップを主導してきた実績を持ち、研究戦略の策定や標準化、国際連携などに関する助言を行う。併せて国際公募により、世界の第一線の研究者の参画も進める。

新研究所設立の背景には、気候危機や地政学リスクの高まりによるエネルギー安全保障とGX(グリーントランスフォーメーション)への関心の急速な拡大がある。九州大学は「脱炭素」を大学のミッションの1つに掲げており、同研究所を通じて基礎研究から社会実装までを統合した「新たな水素学」の構築を目指すとしている。