課題先進地で最先端の教育を実現 地域活性のカギは学校の「魅力化」

全国的に高校生の数が減少し、高校の統廃合が進むなか、地域活性の一手として「高校の魅力化」に注目が集まっている。先進事例となった島根県立隠岐島前高校の改革に参画し、その実践をベースに全国各地で「高校魅力化プロジェクト」を推進するキーマン2人がその意義と取り組みを語った。

公立高校の9校に1校が統廃合

藤岡 慎二

藤岡 慎二

株式会社 Prima Pinguino 代表取締役
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。2006年に同社を創業し、推薦・AO 入試事業を中心に事業拡大。ベネッセコーポレーションなど教育関連企業と協働。2009年に島根県海士町にて隠岐島前高校魅力化プロジェクトに参画。全国に知られるプロジェクトとなり、現在は全国20地域以上の自治体・高校と魅力化プロジェクトを展開。2020年から産業能率大学経営学部教授に着任。

教育の魅力に乏しい地方自治体では、一旦人口流出が始まると、雪崩を崩したように人口減少に拍車が掛かることが少なくない。その分岐点となるのが公立高校の統廃合だ。文部科学省によれば、全国の公立高校は2006年からの10年間で約450校が減少した。これは9校に1校が統廃合された計算となる。

「特に深刻なのが離島や中山間地域の学校です。その島や村で唯一の高校が統廃合されると、他の高校への通学が困難になる生徒が出てくるばかりか、地域の活力にも多大な影響を与えます」

そう断言するのは Prima Pinguino(プリマペンギーノ)代表取締役の藤岡慎二氏だ。藤岡氏は同社にて、キャリア教育事業、推薦・AO 入試事業などの…

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