モリサワと発達性ディスレクシアのフォント環境等を検証 武蔵野美術大

武蔵野美術大学は10月13日、同大学ソーシャルクリエイティブ研究所と株式会社モリサワが、共同で「初等・中等教育機関を対象とした個別最適な情報取得ができるフォント環境(レイアウト環境)が整う世界の検証」について研究することに合意したことを発表した。 

近年、UD(ユニバーサルデザイン)フォントの利用で読みの速度が向上するというエビデンスから、発達性ディスレクシアを含む児童・生徒の学習環境の改善などが期待されている。一方で、UD フォントの認知は広がっているものの、教育現場で使いたい希望があっても容易に使うことができない組織やシステム上の問題が存在しているとの声もある。また、客観的な測定が難しいディスレクシアは、そもそも認識されないケースも多く、教員や学校側でも課題への理解が進んでいない現状がある。

今回の共同研究では対象者を初等・中等教育機関(主に小中学生)として、フォントだけでなく、対象者をとりまく「すべての文字」について考え、文字の読み書きに困難を抱える児童・生徒への配慮を社会が正しく用意するために、教育現場の課題を明確にする基礎研究(ソリューションを作る前の段階)を行う。

小中学校の教員へのインタビューを行い分析することで、教員の意識だけでなく、教員の環境によって起こっている現象を明らかにするとともに、教育現場の課題解決のための方向性を、教員の意識、体制への働きかけ、保護者の意識等の観点を中心に明らかにすることを目的としている。

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画像は、武蔵野美術大学のプレスリリースから。