2027年卒学生の就職意識調査、企業選択で「給料」が「やりたい仕事」を初めて上回る
株式会社マイナビは、2027年3月卒業予定の全国の大学生および大学院生を対象とした「2027年卒大学生就職意識調査」の結果を発表した。今回の調査では、学生の企業選択において給与・待遇面への関心の高まりがうかがえる結果となった。
企業選択の軸、2位は「給料」が「やりたい仕事」を初めて上回る
学生が希望する企業の条件として、「安定している会社」が55.4%(前年比3.5ポイント増)となり、8年連続で首位となった。第2位の項目には変化があり、「給料の良い会社」が26.6%(前年比1.4ポイント増)で5年連続の増加となった結果、比較可能な数値として最も古い2001年卒以降で初めて、「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」の25.5%を上回った。近年の物価高などの経済的な不安から、学生の安定志向と待遇面への関心が高まっている可能性がある。
忌避される「ノルマ」と「転勤」
行きたくない会社の条件では、「ノルマのきつそうな会社」が39.2%(前年比1.0ポイント増)で前年に続き最多となった。次いで回答が多かったのは「転勤の多い会社」の33.3%(前年比2.3ポイント増)で、6年連続での増加となっている。背景のひとつとして、将来共働きを希望する学生が増加傾向にあることが挙げられる。転勤は生活拠点の変更を伴うことが多く、自身およびパートナーのキャリア形成にも影響が大きいため、できるだけ避けたいと考える学生が増えている可能性がある。
中小企業志向の拡大とインターンシップ実施率の上昇
就職先に対する企業志向では、大手企業志向(「絶対に大手企業がよい」と「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」の合計)が50.9%(前年比0.9ポイント減)と2年連続で減少した一方、「中堅・中小企業がよい」は44.0%(前年比1.0ポイント増)と2年連続で増加した。背景には、中小企業におけるインターンシップ・仕事体験の実施率向上があると考えられる。企業規模別の実施率をみると、「300~999人」が81.3%(前年比2.8ポイント増)、「300人未満」が62.9%(前年比4.3ポイント増)と、中小規模企業での伸びが大きい。インターンシップ・仕事体験の実施を通して学生に自社の魅力を伝える機会を得た中小企業が増えた結果、学生の中小企業志向も高まったと考えられる。
マイナビキャリアリサーチラボ研究員の長谷川洋介氏は、学生の給与・待遇への関心の高まりには物価の上昇など近年の経済状況の影響も考えられると指摘。大手企業による初任給引き上げが世間の注目を集めるなか、中小企業志向が2年連続で増加するなど学生の目は必ずしも大手企業だけに向いているわけではないとし、給与・待遇や企業規模だけでなく、仕事の魅力ややりがいなど、複数の視点からマッチングを見極めている様子がうかがえる、と分析している。