世界と繋がり、「ありたい姿」を発見 SDGs×教育から生まれる価値
新学習指導要領に盛り込まれた「持続可能な社会の創り手」を育てるという文言。教員はこれをどう理解し、SDGs を教育にどのように取り入れるべきか。有識者6名に、子どもが身につけるべき素養や教育現場での価値といった切り口から議論してもらった。
今回の座談会には、長年 ESD や SDGs の研究に取り組んできた東京都市大学大学院環境情報学研究科の佐藤真久教授、〈教師海外研修〉に取り組む国際協力機構(以下、JICA)から高田宏仁氏、古賀聡子氏、前橋俊輔氏(埼玉県教育委員会派遣)、〈サステイナブルスクール〉に取り組んできたユネスコ・アジア文化センター(以下、ACCU)の大安喜一氏、篠田真穂氏に参加してもらった。
「持続可能な社会の創り手」に、求められる素養とは
──そもそも、「持続可能な社会の創り手」にはどういった素養が求められるのでしょうか。
佐藤真久
佐藤:さまざまなキーワードがありますが、最も重要なことは統合的な問題解決と価値創造に向けて「いろいろなものを『つなげる』能力」であると考えています。ユネスコは、これまでの持続可能な開発のための教育(ESD)に関する一連の議論を整理して、2017年に「持続可能性キー・コンピテンシー」(key competenciesin sustainability)として8つの項目を挙げています(表)。ここで強調されていることは、どれかを個別に獲得するのではなく…
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