識者の言葉が過激化する時代に、和辻哲郎が問いかけるもの
SNS上で識者やジャーナリストの言葉が過激化し、一方的な肩入れが目立つようになっている。百年前、戦争へ向かう時代と現在の状況が重なって見える中、同じく激動の時代を生きた倫理学者・和辻哲郎の言葉が思い出される。政治的興奮に駆られ、自らの任務を見失うことへの警告として、先人の静かな営みの価値を問い直す。
選挙結果と識者たちの言動
先﨑 彰容(せんざき あきなか)
社会構想大学院大学 社会構想研究科 研究科長・教授
思想史家。博士(文学)。1975年東京都生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業、東北大学大学院日本思想史博士課程修了。日本大学危機管理学部教授を経て2025年4月より現職。『個人主義から〈自分らしさ〉へ』(東北大学出版会、2010年)、『ナショナリズムの復権』(ちくま新書、2013年)、『維新と敗戦』(晶文社、2018年)、『国家の尊厳』(新潮新書、2021年)、『本居宣長』(新潮選書、2024年)、『批評回帰宣言』(ミネルヴァ書房、2024年)など著書多数。
前回の連載から1か月、ある意味でとても慌ただしい時期を日本人は過ごした。もちろん、極寒大雪のなかでおこなわれた衆議院議員選挙のことを指している。当初は、自公分裂による創価学会票が逃げたこと、立憲民主党を支える労働組合の組織票と合体し、「中道改革連合」が出来たことから、自民党の内部にも相当の警戒感があったと聞く。しかしふたをあけてみれば、与党系で354 議席を獲得し、総議席465 議席のうち過半数233 議席を大きく上回る圧勝である。単純比較はできないが、大政翼賛会が381 議席(総議席数466)を得た1942 年におこなわれた総選挙に接近する圧勝である。
(※全文:2081文字 画像:あり)
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