ユネスコ評価機関、「書道」の無形文化遺産登録を勧告 12月に最終決定
文化庁は2026年11月5日、日本が国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産代表一覧表への登録に向けて提案していた「書道」について、無形文化遺産保護条約政府間委員会の評価機関から「記載」の勧告を受けたと発表した。最終的な登録の可否は、2026年11月30日から12月5日まで中国・厦門(アモイ)で開かれる第21回政府間委員会で決まる。
評価機関は、各地域から選ばれた専門家6名とNGO6団体で構成される。代表一覧表への登録などについて事前に審査し、その結果を政府間委員会に勧告する役割を担う。勧告には、代表一覧表に登録する「記載(Inscribe)」、提案国に追加情報を求める「情報照会(Refer)」、登録基準を満たさない「不記載(Not to inscribe)」の3区分がある。今回、「書道」は提案が認められ、「記載」(登録)が適当とされた。勧告の内容は、ユネスコ無形文化遺産の公式サイトで公表されている。
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政府間委員会での決議も、評価機関の勧告と同じ3区分で行われる。文化庁によると、代表一覧表への登録に関する最終決定は、会期中の12月1日から3日までの間に下される予定だ。文化庁は今回の発表にあわせて、関芳弘文部科学大臣の談話も公表した。
提案の対象となる「書道」は、筆、墨、硯、紙などの用具用材を用いて、漢字、仮名、漢字仮名交じりの書、または篆刻として、伝統的な筆遣いや技法のもとで手書きする文字表現の行為を指す。担い手は日本書道文化協会で、同協会は2021年12月、登録無形文化財「書道」の保持団体に認定された。
無形文化財の登録制度は、文化財保護法の一部を改正する法律(令和3年法律第22号)によって新設された制度である。同法は2021年4月23日に公布され、登録制度を新設する部分は同年6月14日に施行された。書道や食文化などの生活文化も含め、多様な無形の文化財を積極的に保護するために設けられたものだ。書道は2021年12月、「伝統的酒造り」とともに、登録無形文化財として初めて登録された。
政府は2024年1月26日の無形文化遺産保護条約関係省庁連絡会議で「書道」の提案を決め、同年3月末にユネスコへ提案書を提出した。ただ、日本はすでに登録数が多く、新規提案の審査は2年に1件とされているため、このときは審査が見送られた。そこで政府は2025年3月6日の同会議で再提案を決め、同月28日に改めて提案書を提出した。今回の勧告は、この再提案に対して示されたものだ。
日本書道ユネスコ登録推進協議会は、公益財団法人全国書美術振興会、公益社団法人全日本書道連盟、公益社団法人日本書芸院の3団体が2015年4月4日に発足させた組織で、書道のユネスコ無形文化遺産登録に向けた運動を続けてきた。勧告を受けて同協議会の田中壮一郎会長は、長年の書道界の念願が実現に大いに近づいたとのメッセージを公表した。日本書道文化協会の井茂圭洞会長も、評価機関で審査に携わった人々への感謝を表明している。両会長はともに、勧告どおり代表一覧表に記載されることへの期待を示した。
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