【6月26日松本洋平文科大臣会見詳報】震度6強に即応、防火通知発出 大学の女性対象選抜「合理性ある」

松本洋平文部科学大臣は2026年6月26日の定例記者会見で、前日に発生した岩手県沖を震源とする地震への対応状況、北区立滝野川第三小学校の火災を受けた全国通知の発出、特別支援学校・学びの多様化学校への視察結果をそれぞれ報告した。記者との質疑では、「女性版骨太の方針2026」が掲げる理工系女子学生の倍増目標への対応方針、教育基本法改正時の議事録問題、旧統一教会の解散命令確定後の被害者救済についても見解を示した。

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震度6強の階上町に「災害情報連絡室」即日設置 114校が臨時休校

2026年6月25日、岩手県沖を震源とする地震が発生し、青森県階上町で最大震度6強(八戸市では震度6弱)が観測された。文部科学省は地震発生直後に「災害情報連絡室」を設置し、関係機関に対して児童・生徒・教職員・施設利用者等の安全確保と施設被害情報の把握、二次災害防止を要請した。25日時点での文部科学省関係の被害は、登校中の事故による負傷者1名(人的被害)、学校施設等での内装材・設備の剥がれや落下など22件(物的被害)で、114校が臨時休校となった。

また、地震調査研究推進本部・地震調査委員会の臨時会が同日開催され、松本大臣も出席した。2024年11月以降、当該地域で地震活動が活発化しているとの評価が公表されており、大臣は台風第7号等の影響も重なった地域への継続的な情報収集と安全確保に全力を尽くすと述べた。

北区小学校火災受け全国通知、「原因判明後も追加発信」

2026年6月19日、東京都北区の区立滝野川第三小学校(4階音楽準備室から出火)で火災が発生し、児童・教職員計11人が病院へ搬送された。出火原因については警察・消防が調査を続けている。文部科学省は6月26日付で全国の学校に対し、防火・防災に関する通知を発出した。通知の柱は三点で、防火設備を含む施設・設備について法令に基づく点検を遺漏なく実施すること(今年度実施済みの学校も臨時点検を検討すること)、消防法に基づく消防計画の内容を改めて確認し避難訓練は実践的な内容とすること、危機管理マニュアルに火災発生時の対応手順を明確化することを各学校に求めている。

松本大臣はさらに、「出火原因が明らかになり教訓として含めるべき内容が判明した際には、速やかに全国へ追加通知する」と述べ、今後の対応にも含みを持たせた。

特別支援・多様化学校を視察 「誰一人取り残さない支援を」

大臣は6月23日、杉並区にある東京都立永福学園(肢体不自由・知的障害対応の都立特別支援学校)と、同学園内に設置された東京都立大塚ろう学校永福分教室(聴覚障害対象・幼稚部・小学部)を視察した。生徒一人ひとりに応じた授業の様子と企業就労を見据えた実践的な職業教育を確認したほか、生徒と給食をともにしながら学校生活や将来の希望について意見交換した。

続いて世田谷区立北沢学園中学校を視察した。同校は2026年4月に23区初の本校型「学びの多様化学校」として開校した中学校で、旧北沢小学校の校舎を活用している。学校独自の教科「キャリアデザイン学習」の授業と生徒・教職員との意見交換を通じ、生徒が主体的に学びに向き合う姿を確認した。大臣は「特別な支援を必要とする子どもたちや不登校の児童を含め、誰一人取り残されない指導・支援の充実に力を尽くす」と語った。

北区の分散登校を支援、スクールカウンセラーが面談を実施中

火災を受けた滝野川第三小学校の今後については、北区教育委員会が6月29日(月曜日)からのオンライン授業再開に向けた準備を進め、7月を目途に現小学校と近隣校への分散登校へと移行する方針であることが報告された。夏休み以降を目途に全児童が集約して学べる代替施設の確保も検討されている。児童の心理的ケアについてはスクールカウンセラーによる面談がすでに実施されており、文部科学省としても北区教育委員会と連携しながら現場の声に寄り添いつつ必要な対応を取る考えを示した。

理工系女子倍増へ「合理性ある」

「女性活躍・男女共同参画の重点方針2026(女性版骨太の方針2026)」が掲げる、大学の工学系学部における女性割合を2025年の18%から2040年に36%へ倍増させる目標について、松本大臣は対応方針を示した。女性の大学進学率が5割を超えながら理工系の女子学生比率が約2割にとどまる現状を「損失」と表現し、文部科学省として女子中高生の理工系分野への興味・関心を高める取り組みへの支援、私立理工系学部に通う学生の授業料免除の中間所得世帯への拡大、理工系・デジタル系学部の転換や新設促進を複合的に推進する方針を示した。

大学入学者選抜においては、各大学が入学者の多様性確保の観点から女性を対象とする選抜を自らの判断で実施することについて「合理性がある」との立場を改めて示した。2026年度入学者選抜で理工系女子枠を設置した国公立大学はすでに38大学49学部にのぼり、前年度から8大学・12学部増加している。

教育基本法改正の議事録「探したが見当たらず、再調査の必要なし」

NHKが報道した、2006年の教育基本法改正時における与党検討会等に関する文部科学省職員作成資料の存在について、過去の情報公開請求に対し「作成・保有していない」と回答した認識に変わりはないと述べた。今回の報道を受けて総合教育政策局の担当職員が庫内および共有ドライブを改めて確認したが、該当文書は見当たらなかった。報道内容が誤りだという意図はないとしつつも、現時点でこれ以上の調査は必要なく、また実施も困難との見解を示した。

旧統一教会「解散後も不当勧誘は規制対象」

2026年6月22日付の最高裁判所第3小法廷の決定により、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令が確定し、宗教法人格を維持する手立てはなくなった。文部科学省としては被害者救済への取り組みを最優先と位置づけており、清算人の求めに応じて関係省庁と協力し最大限対応する考えを示した。今後、別団体等による不当な寄付勧誘があった場合は「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律」(不当寄附勧誘防止法)に基づく報告徴収・勧告・命令・公表の対象となりうるとも言及し、文化庁の所管機関として情報提供などの協力を継続すると述べた。